日本には『芸能の神様』として祀られている神社も多いですね。 関西なら“天神さん”こと大阪天満宮、関東なら浅
2016/09/20(火)
「あの世」と「この世」の境目―黄泉比良坂【前編】
夏の残り香が消えぬうちに、背筋にヒリリと緊張感が走るような場所を。
“黄泉の国”と現世を繋ぐ場所へと行ってきました。
神話に溢れた出雲の地へ
島根県の出雲地方。
日本最強の縁結びスポット、出雲大社があることでもおなじみ。
日本神話に登場する多くのエピソードは、この出雲地方が舞台になっています。
例えば、古事記や日本書紀に書かれている、男神のイザナギと女神のイザナミによる『国産み』と『神産み』のお話。
日本列島とそして多くの神々を産み、そして最後に火の神・カグツチを出産したイザナミは、その際に負った大火傷が元で死んでしまいます。
悲しみにくれたイザナギは、亡き妻に会いたいとの一心で黄泉の国を訪れることに。しかし、そこで見たのは変わり果てたイザナミの姿。
恐ろしくなって逃げ出すイザナギと、怒りにまかせて追うイザナミ。
古事記には、イザナミの差し向けた妖怪や鬼たちを、桃の実などを餌にして振り切り、黄泉の国の出口である『黄泉比良坂(よもつひらさか)』まで逃げおおせたイザナギは、『千引の岩(ちびきのいわ)』でその道を塞いだ――ということが記されています。
「あの世」黄泉の国が実在するのかどうか、僕はよく知らないのですが。
「あの世」と「この世」の境目となった場所、
『黄泉比良坂』は実在します。この辺りに。
かつての心霊写真スポット
ただ、実際にこの地図を頼りに黄泉比良坂に向かうと、けっこう苦労します。
国道9号線などを車で走っていると、ごくごく稀に、このような看板が「非常に分かりにくく」立っています。ただ、分かりにくいとはいえ、さっきの地図を見ながら行くよりも、立て看板を辿っていくほうが着きやすいかも。
インバウンド向け?いちおう『YOMOTSUHIRASAKA』とローマ字表記もなされていますが…日本人、しかも長く近畿圏に住んでいた僕でも、なかなかここまで辿りつけませんでした。辺鄙な路地や農道のような道を通らなきゃいけないので、ナビやスマホをアテにすると、もしかしたら一方通行などに引っかかったりするかも?
しかしながら、個人的には、このぐらい分かりにくいほうが良いんじゃないか?とも思ったりします。
というのも、この黄泉比良坂、かつては心霊写真スポットとして、あやしい話が好きな者の間では有名な場所でした。僕がここを知ったのも、たしかそのテの雑誌を読んでのことだったと思います。
僕などは霊感も全くないし、祟られたとしても「今さら…」という感じでもあるし、何よりも日本の神話にすごく興味と関心があるので、多少の不安はあっても、この地を訪れてみたいと願ったのですが。
霊感の強い方、憑かれやすい体質の方は、あまり不用意に近付かない方がよろしいかと思います。もしこの記事をきっかけに黄泉比良坂を訪ね、貴方の身に何かが起こったとしても、ボーダーレスは一切の責任を負いませんので、そこのところは自己責任でどうぞよろしくお願い申し上げます。
まだ日の高いうちに…
道に迷いつつ、とにかく看板を目印に車を走らせ、
途中、この辺りに住んでいる人たちに「またモノ好きが来よったで」というような目で見られたりしつつ、木々に囲まれた細い道を登っていくと、
突き当たりが小さい広場のようになっています。
看板を見てみると、
ここが黄泉比良坂で間違いないようですね。
現在の地名として『伊賦夜坂(いふやざか)』とも呼ばれているようです。
木々に囲まれた中に、ぽっかりと開いた小さな空間。
イザナギとイザナミの話だけでなく、オオクニヌシ(大国主)がスセリヒメとともに逃げた場所、それもこの黄泉比良坂だそうです。
辺りをきょろきょろしてみると、
小さな坂道に、木の看板。
『この先 塞の神 この小道 伊賦夜坂』と記されています。
塞の神とは、文字通り“塞ぐ”神様でしょう。町の外れの道端などに、時々ぽつんと置かれている祠やお地蔵さんなどを見かけることがあると思いますが、あれなども塞の神の一種だと聞いたことがあるような。要は町中に疫病や邪悪な気を入れないよう防御するための神様です。
小道は先で二股に分かれていて、おそらく右に行くと伊賦夜坂、つまり今回の目的である黄泉比良坂でしょう。
左に逸れた道の先には、
錦鯉が泳ぐ池があり、そしてその先には、
いわゆる注連縄門が。
行く手を阻んでいるのか。もしくは何かを封じ込めているのか?
さっそく、この注連縄門をくぐってみようとも思ったのですが。
ネットには何も書かれていなかったので、もしかしたら僕の思い違いかもしれないのですが、以前読んだ本には確か「あの世とこの世が繋がるのは夕方だけ」と書かれていたような?
夕方が何時ごろを指すのか、それもよく分からないのですが…まあしかし、今頃のような、まだ真っ昼間の時間帯に来るような場所ではないことも確かでしょう。
別にわざわざ狙うつもりもないですが、どうせなら心霊写真も、そして可能なら「あの世」と「この世」の往来もしてみたいですし。
どこかで時間をつぶし、夕暮れ時を待つことにしましょう。