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2017/02/28(火)
かっこいいぞ、旧車【前編】
某月某日、ある地区にて。
ロケハンからの帰り道。自分の前を走っている車、追い越していく車、コンビニに停まっている車…目にするクルマが、どれもこれも『ただものではない』。
いつも街で見かけるヴィッツやデミオやジュークなのに洗車が行き届きすぎていたり。または、車高がタバコ一箱分しかなかったり、取り扱い不便そうなチンスポが取り付けられているクルマもやたらと目に入るし。どうにも気合いの入り方が違うものがチラチラ紛れ込んでいる。こういう感覚、クルマ好きにしか分からない??
「これは何かあるかも!?」と、その一団をマークしたその先に。
ほーらやっぱり!旧車ミーティングだぁ!!
ヴィンテージカーたちが集合!
日本各地でちょくちょく開催されている旧車ミーティング。
旧車オーナーが集まって、情報を交換したり、写真を撮りあったりという楽しそうなイベントです。でも、いちギャラリーとして参加するなら、別に旧車のオーナーでなくてもOK。
そういうトコロに集まるギャラリーももちろんクルマ好きな人ばかりなので、イベント会場の近くは、気合いの入った車が溢れ返る、というワケです。
言わずもがなのフェアレディZ。もちろん旧車も大好きなんですけれど。そんなに詳しいというわけではなく、これはたぶんS130かなぁ??
旧車ミーティングの代表格、
ハコスカ。カッコいいのはもちろん、コンディションも抜群。
僕の体が車体に写り込みすぎてしまうほどに磨きこまれたボディ。
4ドアのセダンは少し珍品?クーペ定番のブリブリなオーバーフェンダーが無い代わりに、すっきりとしてエレガントに見えますです。ワタナベの8スポークいいなぁ…
と、このように、昭和の名車が一堂に会するミーティングなのですが、今回はちょっと珍し気なクルマ、ボーダーレスの秘密初登場のクルマを中心に紹介していこうと思います。
スバル・アルシオーネSVX
そんなわけで、最初に目に入ってきたのが、
スバル・アルシオーネSVX。まさにバブルのアダ花的存在な、でも隠れた名車です。たしか5~6千台ぐらいしか出回らなかったんじゃ?
そんな、20年以上も前のレアなクルマが、
この日、この会場に3台も集結。上品で流麗、そして先鋭的。ジウジアーロデザインの決定版とも言いたくなるような、とってもカッコいいクルマだと思うんですよ。
「せっかくなんで、エンジンも見ていってくださいよー、SVXはココが命ですから!」と、サービス精神満点のオーナーさんのご好意に甘えて、
スバルの本気、水平対向ボクサーエンジン!4気筒だと思っていたんですが、6気筒だったんですね。
コンパクトに詰め込まれた3.3L。まるで野生動物の内臓。
で、SVXのもうひとつの特徴がウィンドウ。
…すみません。何枚も撮ったのですが、家に帰ってパソコンで拡大してみたら、あまりにボディがピカピカすぎて、どの写真にも僕の体が写り込んでしまってて。まともにお見せできるのはこれぐらい…
いやいや、でもでも。いつまでも美貌をキープしたまま乗り続けていただきたいと思いますよ。改めてカッコいいクルマだったんだなぁと、この日再確認のアルシオーネSVXでした。
トヨタ・チェイサー
お次は、これまたまたカッコいい、
初代のトヨタ・チェイサー。40年も前のクルマとは思えない、グッドが過ぎるコンディションをキープしています。
SSRのマークⅲがハマりすぎ…not,イカしてるなぁ。
四角いお顔にまん丸おめめ。そしてピカピカのフェンダーミラー。
この頃からもう弓矢のマークが付けられていたんですね。
世界のトヨタも、この頃はまだ、どこかアメ車のテイストを引きずったままで、でも、「このままじゃいけない!」というようなジレンマも抱えているような。
そういう不安定さとか、アンバランスな感覚が滲み出てきてしまっているところに、日本の旧車の魅力があるようにも思えるのです。
トヨタ・スポーツ800
お次は旧車界のアイドル、
トヨタ・スポーツ800、通称“ヨタハチ”。
奥の方の、赤いヨタハチのそばの男性と見比べてください。小さいボディ!!
丸みを帯びた、流線型タマゴ型ボディ。1960年代の車なのに、この曲線美。当時の技術力じゃ量産は大変だったんじゃなかろうか?角ばったクルマ全盛期の頃に、このデザインは秀逸すぎると思います。
ちなみにこの車をデザインした長谷川さんという方、太平洋戦争中は飛行機の設計をしていらした方で、“キ-94”という、当時としては斬新過ぎる戦闘機をデザインしたことでも有名です。
オーナーさんのご好意でボンネットオープン。
まるでバイクのような、シンプルすぎるエンジン。800ccなので当然ですが。
こちらは白いほうのヨタハチ。もしかして空冷エンジンなのですかヨタハチって!?ラジエーターらしきものも見当たらない…知りませんでした、、、
ボディももちろん、エンジンルームも恐るべき美しさをキープ。何度も書きますが、コレ60年代のクルマで、今から50年も昔のものなんですが。これぞ“クルマ愛”でしょう!
マツダ・コスモスポーツ
そして、いよいよ、満を持しての登場!
マツダ・コスモスポーツ。後期型でしょうか。それにしても50年も昔のクルマだし。この美しいボディの輝き、オーナーさんは一体どうやってキープしているのでしょう?
塗装が浮いてきたりしないのかなぁ?それとも、何度も剥がして、そして何度もオールペンしたりするものなの?
写真がちょっと傾いていますが、あえてこのまま。なんだか、ナナメ下から甘えたような顔つきで見つめられているような表情なので。
こんな風に、表情があるように感じる、何か言いたげに見えるというのも、現行のクルマにはない、旧車の持ってる大きな魅力のひとつではないでしょうか。