映像のプロフェッショナルなボーダーレススタッフたちに、お盆休みに観るべきオススメ映画・ドラマを尋ねて回っています
2017/04/14(金)
桜いろいろ【前編】
今年は春の訪れが遅かったし、しかも週末は天気が悪い日も多かったので、「お花見に行けなかったよ!」と嘆いておられる方も多いのでは?
仕事の合間にスマホなどで撮った桜の写真が集まりましたので、その中から少しだけ紹介。桜って、実はとてもたくさんの種類があるんだそうですよ。
ソメイヨシノ
ネットにはよく『桜はバラ科モモ亜科スモモ属に分類され、大きく8種類の系統に分かれる』などと書かれていたりしますが、実際はそう簡単なものではないようです。
桜は日本人にとって特別な意味を持つ花ですが、世界的に見ると、どうしても果実を付ける木のほうが優先されることも多いので、学術的な線引きが曖昧になっているように思えます。スモモ属には梅やアンズ、それにアーモンドなんかも含まれますし…
とはいえ。そんなメンドくさいことを考えなくても、一目見ただけで「ああ、長い冬が終わったなぁ、あたたかい春が来たよ」と感じさせてくれるのが“サクラ”の良いところ。
ソメイヨシノ。8系統(文献によってはそれ以外の数字も)、細かく分けると600種類以上あると言われている桜ですが、
街で普通に見かける桜の、そのほとんどがソメイヨシノという品種です。国内シェア80パーセント以上といわれていますから、このような一重の桜を見たら「ソメイヨシノ!」と言っておけば、まず間違いはないはずです。
漢字で書くと『染井吉野』。吉野というのは桜の名所でも有名な奈良県の吉野山のことで、染井というのは現在の駒込あたりにあった村の名前なのだそうです。
江戸時代、駒込あたりには広い庭を持った武家屋敷が建ち並んでいたそうです。そうなると、必然的に腕の立つ植木職人さんも多く集まることになりますよね。
武士が尊ぶ桜の木を…ということで、一流の職人さんたちが野生種の桜を元に品種改良して作ったのがソメイヨシノ。今では公園でも学校でも、どこでも見ることができる桜です。
野生種に比べて花が大きく、しかも花持ちも良くて。そして、木がまだ小さい(若い)時から花が咲くのもソメイヨシノの特徴だそうですよ。植木を扱ってる方から直接聞いた話なので、たぶん間違いない情報だと思います。
夜桜もいいですね。今年はちょっと寒いですが。
ちなみに…有名な話なので、ご存じの方も多いと思いますが。
真ん中の2つの桜、向かって右の花は真っ白なのに対して、左側は中心部が色づき始めていますね。同じ木に咲いている桜の花なのに不思議です。
この、中心部の色が濃くなっているほうの花は、もう間もなく散ってしまうというサイン。右側の白いほうはまだ大丈夫そうですが、左側のほうは…
品種によってさまざまなので、一概には言えませんが、色が濃くなってきた桜は散り時が近い場合が多いそうです。近所でお花見をと考えてる方、参考までに。
ヤエザクラ
こちらもポピュラーです、ヤエザクラ。100円玉の表に描かれている桜です。
ヤエザクラは品種の名前ではなく、このように幾重にも重なるように花びらが付く桜の総称です。これはイチヨウ(一葉)という品種。
遠くからだと真っ白に見えますが、近付くと淡いピンク色をしています。
こちらはアマノガワ(天の川)という品種。
他の桜のように横に枝を広げるのではなく、天に向かって細く伸びていくことが多いので、小さな公園や個人のお庭にも植えやすい種類といえます。
その名の通り、花も天に向かって咲きます。
これはちょっと珍しい?ギョイコウという名前。
漢字で書くと御衣黄。聞き慣れない名かもしれませんが、黄桜(きざくら)といえば一般的にこれを指すことが多いです。
こちらも黄色い花が付いていますが、
ウコン(鬱金)という品種。
光の加減で薄い黄色に見えたり緑色に見えたりする、不思議な魅力を持つ桜だと思います。
シダレ桜ですね、と思っていたら、
これは八重紅枝垂れ(ヤエベニシダレ)という桜。
近付いてよく見てみると、ちゃんと八重咲きになっています。シダレザクラもヤエザクラ同様、枝が垂れ下がったように見える桜の総称。厳密には多くの品種に分かれます。
個人的にはいちばん好きなヤエザクラです、ヨウキヒ。
漢字で書くと楊貴妃。その名にふさわしい美しさです。
こちらはヤエザクラの代表格のひとつ、
フゲンゾウ。普賢象と書きます。よく見たら花の真ん中から雌しべが2本、ぴょこんと飛び出しています。これが普賢菩薩が乗る象のキバに見えることからこの名が付いたと言われています。
品種や地域によって差はありますが、一般的にヤエザクラはソメイヨシノなどに比べて開花時期が遅い場合が多いようです。
なので、ヤエザクラの名所とされているところなら、もしかしたら今週末のお花見でも、まだ間に合うかもですよ。
エドヒガン
ポピュラーな桜が続いたので、ほんのちょっとだけマニアックなものを。
この写真の雰囲気。山奥なのか森林なのか、木々に囲まれた中に1本だけ咲いている桜の木です。これはエドヒガンという品種。
漢字では江戸彼岸と書きます。実はそう珍しいものではなくて、桜の名所と呼ばれるところには時々植えられていたりもするのですが。
ソメイヨシノをはじめとする多くの観賞用の桜は、このエドヒガンを品種改良したもの。いわば日本の桜の元祖的な品種のひとつです。