先日、買出しの途中に立ち寄った100均ショップで目にした、 これは!スマホにパチンと挟むだけで、寄
2017/06/13(火)
タバコの花って見たことありますか?
たばこ。
嫌煙家の方でも見たことぐらいはあるはずです、タバコ。
ボーダーレスの喫煙スペース。
誰もいないし。つい何年か前までは、常にここで誰ががモクモクとタバコを吸ってたはず??禁煙・節煙ブームせいか、近ごろは愛煙家ボーダーたちも肩身の狭い思いをしがち。まー、どこの会社でも同じような状況ではないかしら。
…と、ボーダーレスの最近のおけむり事情をサラッと紹介したところで、やや強引ではありますが。
みなさん、“タバコの花”が咲いているところ、見たことありますか??
植物だから花も咲くはず?
タバコの葉っぱ。漢字で書くと『煙草』で、見るからに植物。
タバコが植物である、ということは知っていても、じゃあ一体、どんな花が咲くの?と聞かれたら…見たことないし。植物である以上、花が咲いたり実を付けたりもするはず。
と、いうことで、いろんなコネなど活かしつつ、たどり着きました、
とあるタバコ農家の方の畑。タバコ畑です。
意外とけっこう日本全国で広く作られているそうです、タバコの葉。
かつては専売制の物として、国が管理していた事も関係しているのか、
いわゆる“タバコの生産地”は昔から地域ごと一ヶ所に固められていることも多くて、その近くにはこのように『煙草神社』が祀られていることも。
ボカしてありますが、左端の札には生産者の名前や畑の面積などが細かく記載されています。タバコ畑は厳しく管理されていますね。
農家の方に「この葉っぱを乾かして丸めて吸っても、ぜんぜんウマくないからな。」と、笑いながらクギを刺されてしまった…いやいや、そんな、ちぎって持って帰ったりしませんから。
で、そのタバコの葉っぱがコレ。
タバコの箱と大きさを比較。デカいです。この葉っぱを、根元のほうから一枚一枚ちぎって出荷し、また生えてくる葉っぱを一枚一枚ちぎって…と、1シーズンにだいたい3回ぐらい繰り返すそう。
根っこからスパッと切って、1本まるごと出荷するのではないんですね。葉だけを集めて出荷するんだなんて、ぜんぜん知りませんでした。
ちなみに、根元のほうに生える葉っぱと、先端のほうに生える葉っぱでは、ニコチンなどの成分の含有率が異なるそう。これらをブレンドすることによって風味が変わるからこそ、何十種類ものタバコの銘柄ができるというわけか。
花がない!?
タバコの葉っぱうんちくはそのへんにして。
いよいよ、今回のテーマの『タバコの花』ですが。
えーーーっ!どこにも花がないですよ??
農家の方いわく、「葉に栄養を行き渡らせるために、花はすぐに摘んでしまうよ。」とのこと。ガーデニングや家庭菜園されている方はご存じでしょう、
実を採ったり、大きな花を一輪だけ見事に咲かせたい場合などには、いらないつぼみを摘んでしまうとのこと。タバコなどは特にそうでしょうね。葉しか必要ないんだし。
厳重に管理された苗が支給されるそうなので、種を取る必要もないから、花などはジャマ者でしかないということか。農家の方も「なぜ、花なんかを見たがるの?」と不思議そうな顔。
一面に広がるタバコ畑を前に、途方に暮れる私。今回の取材は大失敗かぁ…?
と、その時。農家の方が「ウチはもう全部花を摘んでしまってるけれど、遅くに植えた人の畑なら、もしかしたらまだ少し残っているかも?」というお話を!マジですかー!!
これがタバコの花です
と、いうわけで。「もしかしたら、あの辺りにはまだ花が残っているかも?」という情報を頼りに、少し離れたところにある畑に移動…
パッと見たかんじ、さっきの畑と同様、花は全部摘んであるように思えますが。よくよく見てみると、端っこのほう(この写真だと右上のほう)の一角だけ、葉っぱの上にヒョロヒョロと伸びた茎と、そのまた上に何かがチョコンと乗っているような。
急いで近付いてみると、
おおー、あれがおそらく…
そう、これがタバコの花なんだそうです。
こんな風に、てっぺんに固まって咲くんですね。
形はアサガオに似ているかな?でも、一輪一輪はとても小さい花です。
指の大きさぐらい。
香りはあんまりしません…というか、タバコはとても背の高い植物で、しかも盛り上げられた土に植えられていることもあって、花のてっぺんまでは160センチ以上ある感じ。
なので、鼻を近付けて匂いをかぐことができませんでした。
もう2,3日すれば、つぼみが全開して、美しく咲き誇った姿になるそうなんですが、
「まあ、そうなる前に、ワシらが切ってしまうからなぁ。」と農家の方。
キレイというよりは、とっても可愛らしい花という感じです、タバコ。
摘み取られてしまう前に、天に向かって高らかにラッパを吹き鳴らすのだ!
…などと、タバコの花の儚い生涯を想う以前に。
近年の禁煙ブームに加え、中国を始めとした海外からの輸入にも押されて、日本のタバコ栽培自体が風前の灯というか…
「祖代々守ってきたタバコ畑だけれど、まあ、ワシの代でお終いと違うかなぁ?作るのを止めていく農家も多いよ。完全に無くなってしまうことはないと思うけど。」と、農家の方。
先細りしていく農作物であることは間違いないようですね。時代の流れといえば、確かにそれまでなんですが…タバコの煙が消えていくにつれて、こんなに可愛い花も、もしかしたら気軽には観られなくなるようになるのかなぁ。
今のうちにタバコの花の実物を観れてよかったのかも、と思いました。