前回・前々回の2回に渡って、宮本武蔵と佐々木小次郎が戦った『巌流島』へ行ってきた話をしましたが。 &nbs
2018/05/11(金)
あやしい『水車の里』in山口県【後編】
西部劇に出てくるような、まるで見せしめ的に
高々と吊るし上げられた人形。たしかに危険。白目むいてるし。
こちらは風車?
いちおうアニメのアンパンマンをモチーフにしているようですが、
こちら主人公のアンパンマンか。
ドキンちゃんでしょう、たぶん。
で、誰?
自転車を漕いでいる何か。
顔、怖すぎます。
スピルバーグ監督の『E.T.』かもしれない、怖い自転車乗りの何かの傍らには、
牛?それとも犬か?
これはおそらく猪ではないかと。全体を広く見ると、おそらく
干支になっているの?先頭にはウサギらしきものもいるし。じゃあ、さっきの自転車漕いでいるミイラみたいなやつ、あれは猿なのか…
入浴中の美熟女の姿も。
肩のイカリ具合は多少気になるけれど、けっこう色っぽいです。が、
背後にキモいおっさんが。
ドキドキしながら、奥さまの下腹部あたりを覗き込んでみると、
なにやら液体らしきものが、間欠泉的に噴き出すような仕組みになっているような。芸が細かいぜ!
アートといえばアートだし、いちおうコンセプトらしきものがありそうな気もするし、まったく行き当たりばったりで作られているような気もするし。こんなものがスマホ圏外の山奥に並んでいるとは…
いちおう水車も
忘れかけていましたが、ここはいちおう『水車の里』。
あんまりキレイとは言い難いけれど、川も流れています。田植え時期は仕方ないですね。そして、【前編】でも紹介した通り、
いちおう水車も。ぜんぜん動いてないけど。
1基だけ、立派に動いている水車もありました。なぜかいちばん隅っこの方に。
この水車の動力を使っての、おそらくは脱穀の模様を再現しているのか、
少年らしきマネキン。植物由来の土壌活性剤“HB-101”のエンブレムが美しい、レアで小粋なキャップを被った人形、
まつ毛の上がり方が綺麗です。
かつては人気者たちだった、水車の里
『水車の里』という、なんだか牧歌的な、ノンビリ感あふれるネーミングとは裏腹に、見る者を不安な気持ちにさせる怪しげな物体の数々。
周りも雑草が茫々、ムカデやマムシがいても不思議ではない雰囲気。あまり長居するのもアレなんで、そろそろ戻りましょうと…
細い道を戻ると、「あれ~、どこから来なさったですか?」と、この近所の奥さまがニコニコと笑顔で話しかけてきてくださる。チャンスです。いろいろと気になることを質問してみることに。
なんでも、この『水車の里』は、このすぐそばに住んでいるお爺さんによる完全な自主制作なんだそうです。手先の器用さを生かしての手作り&かかった費用もすべて個人負担。
「農作業の合間に、少しずつこしらえていったみたいで、完成したのは10年ちょっとぐらい前だったかなぁ?その頃は全部ちゃんと動いていたんですよ。水車も回っていたし、人形なんかもピョコピョコと(笑)」
「あの頃は、ちょっとした人気でね。NHKが取材に来たり。ほら、あっちのほうに水車と看板があったでしょ?取材が来るってことで、この近所の人たちみんなで、あの場所まで水車を運んだりして。」
「でも、だんだんと壊れてきてね。これを作ったお爺さんも、もう80代なかばだし。修理するのは無理らしくて…5年前ぐらいには、こんな風に全然動かなくなってしまってね。」
「わたしは昔っから、ここの水車を見るのが大好きでねー。でも、修理なんてとても無理だし。だから、せめてと思って、この辺りにお花を植えたり、お掃除したりしているんですよ。」
…ごめんなさい。本当に申し訳ない。茶化すようなことばっかり書いてしまって。あの水車やマネキンや風車たち、昔はこの村きっての人気者だったんですね。そして今も、地元の皆さん達に愛されているみたいです。
『水車の里』まとめ
山口県周南市にある『水車の里』、場所はだいたいこの辺り。
歩いて行くのは大変だと思います。公共の交通機関もなさそうなので、車を使うのが良いかと。ただし、スマホは圏外になることが多いので、地図アプリで辿り着けるかどうか微妙です。
地元の方に聞いた話を簡単にまとめてみると、
●『水車の里』にあるものは、すべて完全な個人製作だそうです。
●完成したのは10年ほど前。当時はちょっとした人気のスポットで、観光客が訪れたり、メディアの取材もあったりしたそう。
●製作者が高齢になり、管理しきれなくなって現在の状態に。5,6年ぐらい前までは全部がキチンと動いていたそうです。
そして、注意事項も。
●基本的には、敷地内はすべて私有地です。足元に注意!
農作物が植えてありますので、踏み荒らさないようにすべきだと思います。それに、マムシなども普通にいそうですから、足元には特に注意すべきかと。
●水車や人形などには触らないように。
どれもこれも「壊れる一歩手前」という感じでした。ちょっとした力がかかっただけで崩れたり倒れたりすると思います。あくまでも個人の所有物なので、少し離れたところから眺めるぐらいに留めておくべきかと。
そして、これが肝心なポイントですが…
●地元の人たちには、それなりに愛されているようです。
●もしかしたら数年のうちに、見られなくなってしまうかも?
今のところは草刈りなどもなされているようですが。近い将来、それこそ『七つの家』のように、草木がこの空間を呑み込んでしまうかもしれません。
正直なところ…遠くからわざわざココだけを見に訪れるような場所ではないと思います。まあ、しかし、【前編】でも紹介した湯野温泉の近くですし、周南にはインスタでおなじみの工場夜景スポットもありますし。気になった方は急いでどうぞ、なくなってしまう前に『水車の里』へ!