映像制作のボーダーレスの秘密

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1948年の『夏休みの友』

前回は昭和7年(1932年)の『尋常小学・夏期学習帖』を紹介したのですが。

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実はもう1冊、古本屋さんで“夏休みの宿題”と思しきものを買っていたんです。こちらも値段は500円ぐらい?そんなに高価なものではありませんでした。

時は進んで、こちらは戦後。昭和23年、つまり1932年の、

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『夏休の友』。送り仮名の“み”が見当たりませんが、読みは「なつやすみのとも」でしょう。僕らの小学校の頃にはもうなかったですね。ちびまる子ちゃんなどに登場していたので、いちおう知ってはいるのですが…

紙の質、落ちてます…

『夏休みの友』、ようは“夏休みの間に済ませなきゃいけない宿題”というものみたいですが…いろいろ尋ねてみても「私、使ってましたよ~!」という方にはついに出会えず。ネットで調べてみると、現在もまだ一部の地域では使用されているみたいですが。

当時から各都道府県の教職員たちが話し合って、それぞれの地域で独自のものを発行・採用していたそう。なので、呼び名もさまざまだったようです。

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前回の昭和7年版は名古屋周辺で使われていた(?)もののようでしたが、今回のは福岡県のもの。小学5年生用です。

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田島小学校というところの、谷口君のものだったようですね。でも、とても小学5年生とは思えないほどの達筆ですね!と思いながら、ページをめくってみると…

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いたるところに細かい書き込みが。どうやらこの「谷口さん」というのは担任の先生のお名前だったみたい。そういえば、先生が使っている教科書って、中まで見るのは初めて。

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こんな風に細かく書き込みしてあるんですね。

しかし、ページをめくりながら気になったんですが、紙の質がとっても悪いんですよね。わら半紙みたいな感じ。前回の昭和7年のものよりもずっと悪いです。昭和23年、1948年といえば終戦後間もなくのことですから、当然なのかもしれませんが…

こんなに難しいこと習ってたっけ?

7月21日から8月31日まで、1日1ページずつ進めていくという構成です。僕が小学校の頃にやっていた(というか、やらされていた)夏休みの宿題やドリルみたいなものも、こんな感じだったように思うのですが。

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小学5年で、こんなに難しいこともやってたっけ?

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詩を朗読するだけの日もあるのですが…

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北原白秋!小5にはちょっと難しくないかい?

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俳句を作らなくちゃいけない日も2日ほどあったりして。

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工作の日は晴雨計、つまり気圧計を作らなきゃいけないのか!?

あんまり覚えていませんが、僕らの頃の夏休みの宿題って、計算ドリルみたいなことをチンタラとやっていたような気がするんですけれど。昭和20年代の子供は大変だったみたいです。

気になる資料も

今にも破れてしまいそうなページをめくっていくと、こんな、気になるデータが記載されていました。

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なんと、昭和20年代の日本人の平均寿命は40歳ぐらいだということ。

『日本は多産多死の国』や、『病気や病毒の国』という記述も。これまた小学生には厳しすぎる言葉にも感じますが。

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別のページには、さらに詳しい平均寿命も。もちろん、戦争が終わって間もない頃のデータなので、そのまま現在と比べるのは乱暴でしょうけれど。

昭和23年といえば今からちょうど70年前。その頃の日本はまだ、先進国の中では平均寿命のとても短い国だったということですね。これは全然知りませんでした。

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他にも、世界の発明品についてとか。湯川博士が中間子理論でノーベル賞を受賞するのは、この翌年の1949年のこと。この時はまだ日本は後進国という認識だったようです。

そろそろお子さんのお手伝いを始めては?

他にも、

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粕屋郡の1948年の人口は14万人ぐらいだったのか?とか、

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昭和7年のものに比べると少し寂しい感じもしますが、味のある、カワイイ挿絵もいっぱい描かれていたりして。

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見ていて飽きません、『夏休の友』昭和23年版。

紹介しきれませんでしたが、他にも写生しなきゃいけなかったり、なぜかモールス信号を覚えたりしなきゃいけない日もあったりして。『夏休の友』というタイトルなのに、友達らしさを感じるスキを与えない一冊。

 

昔も今も、子供たちにとってはメンドくさいものです夏休みの宿題。明日はもう8月。そろそろお子さんの夏休みの宿題を手伝い始めてはいかがです?

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