『300円新幹線』とか『社員食堂』とか『フクロウカフェ』とか、福岡でもあまり知られてないような場所ばかりレポート
2018/08/28(火)
『島原の乱』の跡…原城
せっかく長崎の島原市まで来たので、歴史の時間に習った『島原の乱』の跡を見てから帰ることにしました。
松竹ヌーヴェルヴァーグの篠田正浩監督が1971年に、そしてマーティン・スコセッシ監督は一昨年(日本での公開は昨年)に、それぞれ映画化した遠藤周作の小説『沈黙』―
物語のテーマとなっている「潜伏キリシタン」、「隠れキリシタン」。今年(2018年)の6月に世界遺産登録されたということで、島原駅の前にこんな看板が立っていました。
ちなみに…「潜伏キリシタン」と「隠れキリシタン」は全く別のものなんだそうですよ。禁教令が解かれた後に、普通にクリスチャンとしてカトリック教会に復帰したのが潜伏キリシタンで、その後も独自の教義を守り続けてキリスト教には帰依しなかった人たち(キリスト教を基にした、日本独自の宗教だと話してくれた方もいました)が隠れキリシタン(正確にはカタカナで「カクレキリシタン」と書くそうです)だということ…
完全に無宗教な自分には、このあたりの事情がよく分らなかったりもするのですが。世界遺産登録を目指して表現を変えたとか、そんな安易なものじゃないようです。
原城へ…
少し前置きが長くなってしまいましたが。
島原駅のまん前にそびえる天守閣、これは“島原城”。幕府側のお城です。天草四郎率いるキリシタンや農民たちなどの一揆軍が立て篭もった“原城(はらじょう)”はもっと南のほう。南島原市にあります。
道中に見える、雲仙の山々。ひときわ高いのが普賢岳だそうです。平成3年の噴火と火砕流で、多くの人が亡くなった事件を覚えている方もいらっしゃると思います。そんな山々を横目に車で30分ぐらい、
原城跡を示す大きな案内板と、無料の駐車場が見えてきます。ここから少し、住宅街を歩いていくと、
ところどころ草生した広場のようなものが見えてきます。これが原城跡。
天草四郎時貞の元に集った37000人が、たった1人の内通者を除いて皆殺しに。天才武将・松平信綱率いる幕府軍も数千人の死傷者を出したといわれる場所。心霊スポットとしても有名ですが…霊感なんて全く無い私にも伝わってくるものがあります。実際にこの地に立ってみると、ハシャいで踊りながら一揆一揆なんて、とてもそんな気にはなれません。
十字架と天草四朗の墓
世界遺産登録されたからでしょうか、
トイレがきれいに整備されていたり、
スマホを使ったVRなんかも…なぜか私のスマホではうまく起動しなかったんですけれど。使い方間違っていたのかな?
とはいえ、基本的には何もない広場です。
本丸にも、もちろん建物らしきものはありませんし。かつては石垣の一部だったであろう岩が転がっているぐらい。
ただ、地面に半分埋まっている岩は、もしかしたら墓石なのかも?なんて思ってしまい、踏まないようについつい避けてしまう…古戦場あるあるです。
本丸を越えたところあたりに、
天草四郎の像。
深作欣二監督の映画『魔界転生』での沢田研二さんのイメージが強くて、失礼ながら私にはちょっと違和感というか何というか…
傍らにはお墓も。元は別の町の民家にあったものなのだそうです。
よく見たら、あちこちにたくさんお墓だったり、墓誌というのでしょうか?
名前などが刻まれた石が立てられていたりして。
そして、それらを見守るかのような、
大きな十字架。正直、ちょっと不思議な印象を受けます。抱きかかえるように大木の枝が寄り添っているのも奇妙だし、
てっぺんの十字架も、まるで血を流しているかのように。錆びているだけなんでしょうけれど。
歴史好きな方なら、原城の背面に海が広がっているのを見て、
「もしかしたら本当に、一揆軍はポルトガルからの援軍に期待していたのでは?」とか思われるのでしょうけれど。そんなに歴史好きでもなく、宗教にも全く興味のない私には、少し荷が重い場所なのではないか?と…
そして、これは、別に恐怖を煽ったりとか、不安な気持ちにさせるとかではなくて、実際に困ってしまったことなんですが。
カメラのトラブルが連発。オートだとピントが合わないし、マニュアルにするとシャッターが切れなかったり。SDカードやバッテリーの不良もしょっちゅう。普段はこんなこと起こらないんですけどね。
霊感とか全くない私も、さすがにちょっと引いてしまいましたよ…
原城跡のすぐ近くにある『浅間神社』にお参りして。ご利益があったのかどうか分からないのですが、この日以降はカメラのトラブルも解消しましたけれど。
まあでも、あんまり遊び半分で近寄るような場所ではないのかもしれません。
サクラの季節がオススメです!
とはいえ、世界遺産登録もされていますし、真面目に(?)観光されるなら問題ないと思います、南島原市の原城跡。
城内にはサクラの木がたくさん。おそらくボランティアの方でしょう、お掃除されていた方は「今度はゴールデンウィークとか、春頃に来てくださいね。サクラがすごくきれいですよ。」と仰られていましたよ。
前回紹介した『かんざらし』もありますし、雲仙の山々も見応えありますし。それに、島原の周辺は温泉地がいっぱいあることでも有名です。観光するならサクラの季節が特にオススメですよ。