会社から新しいカメラを買ってもらいました。 LUMIX FZ1000です! この『ボーダーレ
2015/11/02(月)
最新VFXプラグイン、Sapphire 9をAEで試用する話
ボーダーレスには映像制作部門とは別に、
WEB中心のセクション『インターネット事業部』というものがあります。
インターネット事業部でも高クオリティなWeb動画広告を作るため、
動画ソフトの最新情報も常にチェックしています!
今回は前から気になっているVFXプラグイン「Sapphire 9」について紹介していきたいと思います。
紹介しようと思ったきっかけ
プラグイン販売サイトのFlashbackでプラグインあさりをしてた時に発見して
約30万円という価格にビビリ、
「いったいどんな凄いエフェクトなんだ…」と興味を持ったのがきっかけです。
「Sapphire 9」とは?
GenArts社が提供するビジュアルエフェクト集です。
搭載されているエフェクト数はなんと250種!そりゃ高価になるわけだ。
ライティング、色調補正、トランジション、ブラーなどよりどりみどりです。
ハリウッドではSmokeやInfernoなどで
標準的に使用されているエフェクトだそうです。
After Effects, Premiere Pro, Nuke,
DaVinci Resolve, Avidなど様々なソフトに
対応しています。
ハリウッドレベルのエフェクトを30万円くらいで導入できると考えれば安いかもしれませんね。
「でも標準AE+Trapcodeで十分いろいろ作れるし本当に約30万円の価値はあるのかな?」
と、当時の私はナメた考えをしていました。
体験版をダウンロード&インストール
なんとハリウッドでも使用されている超高品位のエフェクト群を無料で体験できるという。
これはインストールするしかない!
Flashbackさんからダウンロードできます。
※体験版にはそのまま使用出来ないように透かしが入っています。
購入してライセンス認証すれば取れます。
無事インストール完了!
エフェクト欄にずらりと追加されました。
各ジャンルごとにすごい数のエフェクトが入っています。
新エフェクトを触ってみる
9から新しく追加されたエフェクトを使ってみます。
まずはいかにもオーロラを作れそうなAuroraというエフェクトを試します。
Sapphire RenderからS_ Auroraを選択します。
エフェクトの数が多くて見つけづらいので
「エフェクト&プリセット」パネルから検索することをオススメします。
黒平面に適用。
一発でオーロラがでた。(四角い枠と中の文字は透かしです)
しかもキーフレームを打たなくても自動的にゆらゆらとアニメーションします。
さすがハリウッドで一般的に使われているエフェクトですね。
ボタン一つでそこそこリアルで動く綺麗なオーロラが作れるなんて…
私達が今まで映画などで見てきた幻想的なオーロラもこれで作られたのかもしれませんね。
これを標準のエフェクトだけで作成するのはそれなりに手間がかかるでしょう。
加算+ブラーで重ねたり、夜景写真に適当に乗っけるだけで
それっぽいものを作っている気分になります。
色・形・ボケ具合の変更もラクラクで操作性も良いです。
作りこめばすごく綺麗なものができるでしょう。
パラメーターをいじってオーロラじゃないものも作れます。
Sapphire 9恐るべし。
次はいかにも星空を作れそうなNightSkyを使ってみます。
Sapphire RenderからS_ NightSkyを選択します。
黒平面に適用。
一発で星空がでた。デフォルトでも結構リアルです。
タイムラインを動かすと勝手にキラキラします。
なんて気が利くプラグインなんだ。
360度グリグリ回転してプラネタリウムみたいに思う存分夜空を楽しみましょう。
さらに「どこから見た夜空」か指定できます。
ボストン、シカゴ、ストックホルム、東京などメジャーな場所は大体あります。
さらに日時でキーフレームを打つことができるので
「冬のストックホルムで夜8時10分から10時半まで天体観測してるいい感じのグラフィックを作ってよ」というような非常に細かい要求にも応えることが可能です。
ただ少し注意点がありまして、このエフェクトはAEのカメラに対応してません。
そもそも「宇宙空間で高速で奥に移動するときの背景を作る」などといった用途は想定されておらず、
これはひたすらリアルな星空を追求したプラグインなんです。
遠景用と割りきって使用しましょう。
あと動作がちょっと重いです。
モーションブラーに対応しているので
思いっきり回転させるとこういうのもできます。
コンポジション設定、モーションブラーの「フレームあたりのサンプル数」が
低いと汚くなるので注意。上の画像のサンプル数は32です。
最後に無限にズームできそうなInfiniteZoomです。
公式の説明には
「無限に繰り返しながらズームするマウリッツ・エッシャーの版画を思わせるイメージを生成します。」
と書いてあります。
一体どんなエフェクトなんだ…? 早速適用してみましょう。
黒平面に適用しても何も起きないので写真素材に適用。
なるほど。
Zoomのパラメータにキーフレームを打つことで無限に奥に進むアニメーションが作成できます。
適用する素材によっては新しい表現が生まれそうです。
ただし適当に使うと一発エフェクト感がでて安っぽく見えるので、
他のエフェクトと組み合わせたりパラメータを工夫する必要がありそうです。
友人の写真に適用したりするとなかなか楽しめます。
感想
今回使用したのは全体で見たらごく一部なので、正確な評価は下せませんが
確実に作業短縮・クオリティ向上に繋がる便利なエフェクトが多いという印象を受けました。
全体的に動作も重くなく、それなりにハイスペックであれば快適に動くでしょう。
ですが一部のエフェクトはリアル志向が故の使いづらさがあり、
汎用性においては他のプラグインの方が優れている場合があるようです。
例えば、NightSkyの星空のリアルさ、シミュレーションはすごいものですが
リアルさを求められない場合、AEのカメラにも対応しているParticularで作成したほうが何かと便利です。
(サファイアがAEのカメラに対応していないのは、もともとAEのプラグインでは無いのでしょうがないことかもしれません)
また、レンズフレアエフェクトは流石に専門である「Optical flares」にはプリセットの豊富さ・操作性・動作の軽さで負けていると感じました。
今回は試す時間がありませんでしたがエフェクトビルダーという
エフェクトやトランジションを自由に組み合わせられる機能もあり、
使いこなせれば手軽に様々なパターンのエフェクトを作成できそうです。
高額なプラグインではありますが、その金額に見合うだけの便利なエフェクトが数多く入っています。
目的と一致するエフェクトが見つかれば非常に役に立つプラグインだと思います。
体験版は無料なので皆さんも是非試してみてはいかがでしょうか?