映像制作のボーダーレスの秘密

岡本 良太
岡本 良太
ご当地情報・西日本編
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【おまけ】巨大観音の建設に関わった人に話を聞いたよ

昨日まで、兵庫県の淡路島にある『世界平和大観音像』の現状をお伝えしてきましたが…

すべてを見終えて、さて、帰ろうかと思った矢先に急展開が。

実際に巨大観音像の建設に携わった方にお話を聞けることに!

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お話を聞かせて下さった方、仮に名前を“Aさん”としておきます。

年齢は70代半ば。今は地元の淡路島で悠々自適の生活ですが、若い頃は建築関係のお仕事をなさっていたそうで、実際に巨大観音を造る現場に立ち会っておられたそうです。

 

なにせ突然に決まったことでして、時間はおよそ20分間程しかなく、もちろん事前の準備もない、ぶっつけ本番のインタビューだったので、今となっては聞き漏らしてしまったことも多く、少々後悔もしているのですが。。。

ちょっと文字が多くなりすぎて読みにくいかも知れませんが、ネットには出ていないような、意外な事実(?)も判明したので、書き記しておくことにします。

宗教法人化計画について

―― 早速ですが、Aさんが観音像の建設に関わるキッカケは?

 

Aさん「ワシはあの観音さんのある釜口(※地名です)のすぐ近所の生まれでなぁ、ずっとダンプ乗ったり重機に乗ったりしてたから呼ばれたんよ。」

 

―― あの観音像が作られる経緯というのは…?

 

Aさん「あの観音さんが立っている辺り、山も田畑も、土地は全部○○さん(※巨大観音像を建てた方のお名前。ネットには実名も挙がっていますが、ひとまずここでは伏せておきます)とこの持ち物やったんよ。」

 

―― あの辺り一帯の地主さんだったんですね。

 

Aさん「地元では有名なお家よ。ワシは○○さんの息子さんと同い年ぐらいやったから、よう知ってるよ。その○○さんが、戦後に、大阪で事業しはって大儲けして。」

 

―― 不動産などで成功されたと聞きますが。

 

Aさん「そうやったかいな?まぁ、ワシらからしたら“石油王”みたいなモンよ(笑)。で、事業が大当たりしたら、毎年毎年ガバァっと税金取られるちゅうて。アホらしいから、地元の淡路島も潤うし、まぁ、『故郷に錦を飾る』いうの?税金対策を兼ねて、地元の土地に観音さん建てようと思ったそうや。」

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―― ネットには、節税を目的とした“宗教法人化”を目論んで、というようなことも書かれていますが?

 

Aさん「いや、ワシ、それはないと思うな。○○さんは最初、あの観音さんを『百貨店』にするつもりやったから。」

 

―― ひゃ、百貨店ですか(笑)

 

Aさん「百貨店ちゅうか…今で言う、イオンとかサティとか、あんな感じ?ぎょうさんお店の入った…」

 

―― ショッピングモールのようにしたかった、と?

 

Aさん「実際、建築中も、出店の下見の見学が大勢来てた。東京の有名な会社の人らも来てたな。○○さんも、経理や会計に強い人らを集めて、出店料だけで、ある程度は観音像を維持できるっていう計算が立ったから、最終的に(建設に)踏み切ったって聞いたな。」

 

―― それなら宗教法人化は必要ない、というか無理ですね。

 

Aさん「うん。宗教は関係ない思うよ。まぁ、ホンマの考えまでは分からんけどな(笑)もっと純粋というか…そんな印象やったね。」

 

巨大観音像が完成したときの様子は?

―― で、あの巨大な観音像が完成したとき、どうでした?

 

Aさん「そりゃあもちろん嬉しかったよ!地元のみんなも喜んどった。今でこそ(明石海峡)大橋があるさかい、人の出入りも少しは増えたけど…あの頃(1970年代)なんて、あの辺りにはなーんもなかったからな。」

 

―― 僕も幼少の頃、少しは記憶にあるんですけれど、完成当時はすごく賑わっていたんですよね?

 

Aさん「もう、毎日毎日、観光バスが何台も何台もつながって来てな。そりゃあドえらい人気やったで!あんな田舎になぁ。でも、それも、3~4年…実際は3年間ぐらいかな。」

 

―― 人気が翳ってきた理由は、ズバリ何だと思いますか?

 

Aさん「いや、もう、ワシは…個人的には“日本人の悪いクセ”やと思っとるよ。話題になっても、1回見たらもう飽きてしまうやろ?」

 

―― サービスの不備よりも、熱しやすく冷めやすい国民性が原因ですか。

 

Aさん「うん。入場料が高すぎた(当時800円だったそうです)ちゅう話もあるけど…それよりは、やっぱり、日本人の悪いトコロやね(笑)」

 

倒壊の危険性について

―― さっき、実際に観音像を間近でみてきたんですけれど、外壁の一部が崩れていましたよね?

 

Aさん「あー、あれは去年やったかいな?おととしやったかな?台風でな。地元ではけっこうニュースになったりもしたな。」

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―― 真下に国道も通っているし、倒壊したら恐いと思うのですが…

 

Aさん「まぁ、最近は中に入ってないから、詳しいコトは分からんけど、そんなに急にポキッと折れて倒れたりすることはないんと違うかな?」

 

―― それはなぜですか?

 

Aさん「アレ、かなり基礎(工事)もしっかりしてるんよ。ワシ、中の鉄骨をクレーンで吊り上げたりしてたんやけど、しょっちゅう、クレーンのケツが浮いてな。そのたびに『重たい、ええ材料使うてるなぁ、オゴっとーのぉ!』って感心したもんよ。あの地震(阪神・淡路大震災)でも何ともなかったやろ?」

 

―― 確かに、意外とキレイなままというか。外壁以外は。

 

Aさん「まあ、海辺やし、外壁は傷むの覚悟で、しょっちゅう手入れする計画やったんと違うかな?でも、骨組みにカネが掛かってるのは間違いないから、そんなに簡単に倒れてしまうようなことはないと思う…まぁ、ワシが生きてる間だけ、のコトやけどな(笑)

 

―― 解体することについては、どうお考えですか?

 

Aさん「考えもなにも、あれは無理やろ、潰すのは。調査からサラ地にするまでに1年以上はかかる。その間、前の国道を封鎖せなアカンやろ?そんなん無理やしな。」

 

―― 今はどなたが管理されているのでしょうか?

 

Aさん「○○さんの孫にあたる人もおるって話やけど、地元ではあんまり話を聞かんなぁ。(観音像と敷地の)相続権を放棄したんと違う?いろんな人のところをタライ回しになって、今は確か淡路市が管理してるはずやで。」

 

実はもっと巨大になるはずだった?

―― 他に何か、あの観音像についての思い出などございませんか?

 

Aさんあの観音さん、大きさ100メートルやったっけか?あれ、実は、もう10メートルやったか20メートルやったか、ホンマはもっと高くなるハズやったんやで。」

 

―― えーっ!?それは初耳です!!

 

Aさん「あれ、観音像やろ?“後光”というのかな?背中や首のところから上に、飾り(光背のこと?)が付けられる予定やったんやで。それが付いた図面も、確か見たことあるよ。」

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―― なぜ、付けられなかったのでしょうか?

 

Aさん「あの観音さんのすぐ近くに、自衛隊の基地があるねん。そこが文句言うてな。」

 

―― 機密保持の理由でしょうか?

 

Aさん「いやいや、“ヘリコプターがぶつかる恐れがあるから”やって(笑)。確かに、ジャンボジェットなんかやったら高いとこ飛ぶから問題ないけど、自衛隊のは低いとこも飛ぶしな。今から思えば、無くて正解やったな。台風で一番に飛ばされてしまうもんな(笑)。」

 

まとめ

今から思うと、もっといろんな事を聞いておけばよかったと後悔しますが…

それでも、いくつか僕の知らない、ネットにも書かれていない新事実(?)に辿り着けましたので、まとめておきます。

 

当初、あの一帯を、今で言うところの“複合商業施設”にする計画だった?

そう言われてから、改めてあの敷地を思い起こすと、十重の塔や自由の女神レプリカのなどの配置に納得できる部分もあります。

藪に遮られて写真は撮れませんでしたが、敷地内には今もちゃんと蒸気機関車の姿も確認できました。ファミリー向けの憩いの場にするプランだったのでしょうか?

 

宗教法人化計画はなかった?

もし、商業施設にするのであれば、ネットに書かれているような宗教法人化の計画からは少し遠くなるような気もします。

ただ、ほぼ敷地内ともいえる場所に釜口八幡神社もありますし…この辺りは謎が残るところでもあります。

 

実はもう10メートル以上も巨大になる予定だった?

たしかに、観音像であれば光背は付き物ですし、これは信憑性ありそう。自衛隊からのクレームで計画中止というのも、なんだか微笑ましいというか。

でも、今となっては、本当に無くてよかったと思ったりもします。

 

お一方だけの意見を聞けただけですし、40年も前の事でもありますし。

まさに『信じるも信じないもアナタ次第!』というお話でしたが。

僕としては、『七つの家』同様、間違いなく数年のうちに忘れ去られていくであろう“あやしいスポット”に、少しだけファンタジーが差したような気がしています。

Aさんの、「ジャマだし危険だけれど…」の言葉に垣間見える、観音像に対する愛着というか、複雑な想いも感じられましたし…

 

“国産みの島”淡路には、他にも気になる場所(有名なナゾのパラダイスとか、五色トンネル周辺とか)が数多くありますので、機会、もしくはニーズがあれば、またそちらも紹介したいと思います。

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