「友達いっぱいほしいなぁ」とか、「彼氏・彼女がいればなぁ」なんて思ったりして。 “縁を結ぶ”というものにはタイミ
2015/08/24(月)
ボーダーレス釣り部、1m超えの“巨大ソウギョ”に挑む(前編)
先日、このコーナーに登場したクルマ部のように、ボーダーレスには、いくつかの“サークル”が存在している。
そして…そんなサークルがまた一つ、新たに立ち上がった。
『ボーダーレス・釣り部』。
岡本良太と坂井健一郎。今のところメンバーはこの2名である。
社内で正式なサークルと認められるには、最低5人のメンバーを集めないといけない。
したがって、釣り部は『非公認サークル』である。
そんな、レジスタンス的活動を強いられている彼らの元に、ある情報が舞い込んできた。
『某所に1メートルを超える、巨大な“ソウギョ”がいるらしい!?』
ソウギョとは?
ソウギョとは、体長1メートルを超えるものも珍しくない、巨大な淡水魚。
漢字で書くと『草魚』。その名の通り、水草や水辺に生えた植物を食べる、完全な草食系の魚だそうだ。
原産は中国。当地ではハクレン、コクレン、アオウオと並んで『中国四大家魚』の一つと称され、美味な魚として珍重されているらしい。
このようなイメージ。
坂井の直筆イラストである。本当はCGを駆使したりなどした、美麗なイラストを掲載するつもりだったのであるが、グラフィックチームの三橋さんにお伺いを立ててみたところ、
「忙しいから、また今度ね」と、にべもなく断られてしまった。
非公認サークルであるが故の、発言力の弱さが切ない。
釣り部、フィールドに立つ
ボーダーレス釣り部の朝は、遅い。
この日も集合したのは昼下がり。『朝マズメ』という、最大級のチャンスを棒に振る体たらく。
某県某所にある、某一級河川。すみません、別に勿体をつけているわけではなくて、釣り師の間では、ポイントをネット上に晒すのはご法度なので、敢えて釣り場をボヤかして書いています。
この日、2人が使ったタックル(釣具)は、
右…ロッドはSMITHマグナムハスキーの69H。リールはダイワの旧ミリオネア。坂井が使用。
左…ロッドはZENITH“ひしも”77MH。リールはABU6500。岡本が使用。
どちらのリールにも、『ルアーショップおおの』製PEラインの80ポンドが巻いてある。釣り糸というよりも、すでにヒモ。単純計算では40キロぐらいの魚が掛かっても切れないような、太い太い糸である。
…釣り好きの方ならニヤッとされているはず。そう、これはライギョ釣りのタックルをそのまま流用したものである。
なにせ、1メートルを軽く超えるという怪魚である。しかも、釣り部の2人共が初挑戦のターゲット。少し大袈裟な道具を用意したのだ。
釣りに興味の無い方は、「鉄の棒みたいに硬くて太い竿にデカいリールを付けて、ヒモのような太い釣り糸を使った、ゴッツい釣り道具」だと思っていただければよいと思います。
エサには食パンを使用。その辺のコンビニで購入。浮き代わりにライギョ釣り用のフロッグ(KOZポッパー)を使用し、ジギング用のアシストフックを装備。
そこにパンを刺す。これだけの、極めてシンプルな仕掛けである。
ネットの情報によると、釣り場近くに生えている雑草を餌にしても釣れるということなのだが、なにせ2人ともソウギョ釣りは初めてであるし、この釣り場に来るのも初めてなのだ。
あらかじめ餌を用意しておくに越したことはない。
釣り開始、しかし…
いよいよ釣りを開始する2人。
釣り師たるもの、釣り場に立つだけで気分がハイにならざればウソである。
岡本氏。小学生の頃より地元・神戸の須磨海岸で釣りをたしなみ、中学・高校と異性の目を引くことに情熱を傾けすぎ、釣りの世界から身を洗うも、20歳の頃にバス釣りを始め、以来、ライギョ・バス・チヌをメインターゲットに、釣りを生涯の趣味とすることを心に誓う。
坂井氏。海・野池・クリークと釣り場に事欠かない佐賀県に生を受け、現在は河口域でのシーバスをメインターゲットにしつつも、岡本氏の影響を受け、近頃はライギョにも興味津々の24歳である。
岡本「オレ、1メートルの魚なんか釣ったことあらへんわー!めっちゃ楽しみやん~♪」
坂井「もう、ずっと釣りがしたかったんですよ~!最高の気分ですよ~♪」
水面を目の前にして、とにかくテンションが上がりまくる2人。昼食を取るのも忘れ、浮き代わりのフロッグを眺めつつ、釣り談義に花を咲かせていたのである・・・が。
改めて水面を見ると、水の色は、よく言えばカフェオレであり、悪く言えばドブ川レベルである。なんだか臭いし。
こんなところに、1メートルを超える巨大ソウギョが、本当に住んでいるのだろうか・・・
魚信どころか魚影さえ見えない状況に、徐々に口数も少なくなっていく、ボーダーレス釣り部の2人。
えっ!?ソウギョはここには居ない!?
すっかりテンションも下がり、疑心暗鬼を生じ始める2人。本当にここにソウギョはいるのだろうか?
ちょっとした噂だけを頼りに、この川に来たのだ。もっと調べてからの方が良かったのでは・・・
そんな二人の前に、水上スキーを楽しんでいたのであろうか、若者たちを乗せたモーターボートがやって来た。
釣り部の2人に、「釣れますか~?」と、気さくに話しかけてくる彼ら。
「いや、ぜんぜん釣れないんですよね。ソウギョを狙っているんですけれど…」と、正直に素直に答える。
・・・すると、どうだ。モーターボートの若者たちの口から、
「ここにはソウギョ、いないッスよ!」
モーターボートを駆り、キラキラと輝く若さのパフュームを散らしつつ、屈託なく衝撃の発言をする青年たち。
極太のライギョ竿を握り締めたまま、ボーダーレス釣り部の2人は、ただそれを突っ立ったまま、呆然と受け止めるのみであった。