>【その1】はこちら< 走り屋をテーマにしたマンガやアニメの印象も強いので、昭和の終わ
2015/08/25(火)
ボーダーレス釣り部、1m超えの“巨大ソウギョ”に挑む(後編)
某県を流れる某一級河川に、1メートルを超える巨大ソウギョが生息しているとの情報を聞きつけ、馳せ参じた『ボーダーレス・釣り部』の2人。
そんな彼らに近付いて来た、モーターボートを駆るオシャレな雰囲気の5人組は、
「ここにはソウギョはいませんよ~、○○の近くとか、××の側の川に行かないと。」
との言葉を残し、爽やかに立ち去った。
やっぱり。ここでは釣れないのか・・・薄々、そんな気はしていたのだった。
水中のパンは減らない。魚が食っている気配すら、ない。
地元の青年たちが言うのだから、間違いない。ここにはソウギョは居ないのであろう。。。
すっかり気持ちがダレ始めたのか、無言で座り込みつつ釣りをする坂井。
岡本のほうも、
とりあえずは仕掛けを投入してはいるが、惰性の感は否めない。もちろん無言である。
沈黙が破れるとき
先に口を開いたのは、年長者の岡本。
岡本「坂井くん、もう諦めて、どこかにシーバスでも釣りに行くか?」
しかし、返事はない。
岡本「どうした?移動しようや!」
坂井の顔を覗き込む岡本。そこには、いつもの冷静な坂井の表情は見当たらなかった。
引きつったような、青ざめた表情。
坂井「あ、れ・・・水面の、浮きとエサが見当たらないんです・・・」
その言葉と同時に、突如、あの太いライギョロッドが弧を描いた。
マジかっ!?
金棒の如く硬いライギョロッドが、まるで竹ひごのようにしなり、水中に引きずり込まれそうになっている。
坂井「うわあああ!なんじゃこりゃー!」
しかし、このような緊迫した状況になっていても、岡本は“信じていなかった”そうだ。
「なんや、ここにはソウギョなんておらへんのに。どうせゴミか何か引っ掛けたんやろ?」
しかし。
近寄ってくるにつれて、水面の、このただならぬ様相。なにか『生物』が、釣り糸を水中に引っ張り込もうとしているのは明白。
そして、その生物が、水面から少し顔を覗かせた瞬間。釣り部の2人は声を揃える・・・
「ソっ、ソウギョ!!」
ネットの画像検索で見た、少しトボケたような表情。写真の通りである。
ここでもう一度、坂井の描いた、ソウギョの絵をご覧いただこう。このような雰囲気の魚が、水面下十数センチのところで、ぬたぬたと不器用に泳いでいるのだ。
しかし、実際に、初めてその実物を間近で見た彼らは、ただただ驚愕するばかり。
頭だけでハンドボールぐらいの大きさはある。魚の頭の大きさの例えにハンドボール…少しオーバーに聞こえるかもしれないが、本当に、その時はそう感じたのだ。
大慌てでカメラを構える岡本。
「どうすればっ!?リールが巻けません!!サオが折れそうです!!」と絶叫する坂井。
そうだ、写真など後回しだ。とりあえずこの巨大なソウギョを確保せねば。懸命にハンドランディング(素手で魚を掴み、水中から引き上げること)でアシストを試みる岡本。
だが、巨大なソウギョは、これまで岡本が釣り上げてきたどの魚よりも大きく、そしてパワフルであった。
2人の奮闘も空しく、フッとサオの重みが消えたかと思うと、口からハリは外れ、自由になったソウギョは、彼らの視界から消え、水中深くに消えてしまったのだった・・・バラしてしまったのだ!
・・・こんな証拠写真しか撮れていないなんて、とても恥ずかしいことである。
『シャッターチャンスが無かったなら、ムービーで撮っておけよ!』というご意見もあろう。今となってはそう思う。本当にそう思う。本気で後悔している。
でも、この時は全員がパニックになっていて、それどころではなかったのだ・・・だって、時おり水面に姿を見せるソウギョは、まるで中型犬ぐらいあったんだって!!
むしろ、全員が協力して、とにかく釣り上げよう!という行為が、このような残念な結果を招いてしまったのだった・・・
後で釣り針を見てみると、
右側が新品の針で、左側が今回使用した針。
ジギング用の針が、見事に伸ばされてしまっているのが分かる。
1メートルを超えるソウギョは、たしかにこの川に棲息していた!!
無念のタイムアップ・・・
釣り師たるもの、魚影を見えてテンション上がらざればウソである。
さっきまでの沈黙がウソのように、再び釣りに熱が入り始める。
「諦めてシーバスでも行こうや~」などとホザいていたはずの岡本も、その眼中には今やソウギョしか映っていない。
しかし、そんな彼らに、無念の夕日が落ちてくる。
時間切れ。今回は判定負けである・・・
しかし!近いうちに絶対にリベンジしてやるぜ巨大ソウギョよ!!と、非公認サークル『ボーダーレス釣り部』の2人は、水面に映る夕日に、固く固く誓うのであった。
釣り部からのお知らせ
『ボーダーレス釣り部』では、ただいま部員を募集中です。
ボーダーレスへの入社をご検討の方(アルバイト、インターンシップを含む)で、しかも“釣り好き”な方は、面接の際に、「釣り好きアピール」をお忘れなく。
ボーダーレス釣り部の2人が、ただちに、そして密かに援護射撃に回ることをお約束いたします。
休日は彼らと一緒に、この景色に身を委ねましょう!
(※ただし、ボーダーレス釣り部は、たった2人の弱小非公認サークルゆえ、援護射撃に多大な期待を寄せませんように。)