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2016/08/23(火)
大人の自由研究~『タマムシ』を捕獲したい【前編】
僕らが子供の頃、夏休みといえば「大量の宿題」がけっこうな悩みのタネだったりしましたが、今の子供たちもそうなのでしょうか??
8月も終わりに近付きつつあるちょうど今頃、ヒイヒイ言いながら親兄弟たちに手伝ってもらいつつ、『夏休みの自由研究』などをデッチ上げたりしていたもの。
あれから30年以上経ちました。大人になった今、あの頃を懐かしみつつ、夏休みの自由研究を再現してみたいと思います。テーマはこちら。
『タマムシを捕まえて観察したい。』
ちなみに、タマムシというのはこんな感じの昆虫。忙しく働いているボーダーレスのアルバイトの子が「おまえ、ちょっとは空気読めよな」というような表情とともに描き上げてくれた力作です。
なぜタマムシを?
タマムシ―正式にはヤマトタマムシという名前なのだそうな。
学校の理科室などで、標本にされた虹色に輝く美しい体を見たことある人も多いと思います。虫がニガテという方にもメジャーな存在なのでは?
でも、どうですか?生きている姿を見たことある人、捕まえたことあるって人、意外と少ないんじゃないでしょうか??
僕自身、子供の頃はかなりの虫好きで、夏休みに田舎に帰ったりしたときなどは、いつも網を持って野山をウロウロしていましたし、大人になった今も、ブラックバス釣りの合間などに草むらをゴソゴソしたり、木の幹を蹴っ飛ばしたりしているのですが。
生きているタマムシを見たのは生涯で1回だけ。それも小学校2年生のときです。その時も、飛んでいる姿を目撃しただけで、捕まえることはできなかった…
これを読んでくださっている男性の方、どうでしょうか?周りの人にも尋ねてみてもらいたいです。「タマムシを捕まえたことがあるか?」って。図鑑の中や標本にされた姿を見たことある人は多いと思うのですが、生きている状態のタマムシを捕まえて、手のひらの中に感じたことのある人って、そう多くはないはず。
子供の頃からの密かな夢だったのです、タマムシを捕まえることが。
そして、「そう言われれば、俺もタマムシ捕まえてみたいかも?」という、かつて虫大好き少年だった男たち、意外と多いんじゃないでしょうか?
さっそく行動開始!
ネットなどでいろいろと調べてみると、
■タマムシは林や森の近くにいる
まあ、そうでしょう。とりあえず郊外に車を走らせて。
すごい田舎に見えますが、繁華街から車で1時間ぐらいの場所です。
いちおう国道沿いですし、周りには民家もけっこうあります。
適当な所に車を停め、網を持って森の近くに行ってみました。
なんだよ、その網って釣りに使うヤツじゃないか!?と言われそうですが。
何でも、タマムシというのは、
■木の上など、高い所を飛んでいることが多い
らしいです。なので、長く伸びる網ということで、今回は敢えてこのチヌ釣り用の網を利用することに。コンパクトですが、最長5メートルまで伸びます。
そして、これが一番肝心なポイントみたいなのですが、
■エノキやケヤキの木の近くを飛んでいることが多い
タマムシはエノキやケヤキの葉っぱを食べているんだそうな。なので、森の中ではまずこれらの木を探すのが大切なポイントみたいです。
この森の中で、エノキかケヤキを見つけるのか…
森林の中を探索…
ネットの情報によると、
■森林の中に入ってしまうよりも、その周囲のほうが発見しやすい
とのこと。
森林の周りを囲むような道路の近くをキョロキョロ。
ううむ。。。
これエノキっぽいけどなぁ…?
ラチが明かないので、木々をかき分け足を踏み入れてみることに。
あかんがな…ナメてましたね、自然を。
住宅街の公園などで、バッタやチョウチョ、セミなどをよく見かけます。街中でもそうなのですから、ちょっと郊外の山の近くまで足を運べば、昆虫なんて大量に見つかると思ってました。
どことなく儚げな美しさを感じさせてくれるトンボ。
…などと、こんな感じで、もし万が一タマムシを見つけられなかった時は、ほかの昆虫の写真を大量に撮って、この企画自体をウヤムヤにしてしまえ!なんて思ったりもしていたのですが。
わかりにくいよ!!都会では目立つ存在の昆虫たちも、彼らのフィールドである大自然の中では、見事にその姿を隠して生きています。
しかも、木々に囲まれて暗い!当たり前のことですが。
奥に進めば進むほど、ますます虫の姿を見つけることが困難に。「森林の中よりも、その周囲のほうが発見しやすい」の意味がよくわかりました。
ようやくアブラゼミを発見。
マイマイカブリやオサムシでもいれば、と思い、暗い側溝を覗くと、
なんやシデムシかいな…正直、わくわくしないなぁ。
ムシを求めて、さらに森の奥に。。。
昆虫どころか、それ以外の怖い何かまで写り込んでしまいそうだ…
プロの手を借りよう!
今回の企画に関係なく、僕自身の個人的な思いとして、もう10年以上も前から「タマムシを捕まえてみたい!」と密かに願っていたのでした。
冒頭にも書いた通り、釣りの合間などに、チョコチョコと野山の周辺を探すこともしばしば。でも、これまでに一度もタマムシの姿を見たことがありません。
ネットの情報だけを頼りに、ドンくさいオッさん一人でタマムシに出会うのは無理なのだろうか…
ここはひとつ、プロからのアドバイスをいただきましょう。
昆虫の写真で有名なカメラマン・映像作家の栗林慧さんの故郷、長崎県平戸市にある『たびら昆虫自然園』。
ここを訪ねて、学芸員さんに直接、タマムシ発見についてお話を聞かせてもらうことにしました。
(つづく)