>【前編】はこちら< 釣竿に仕掛けをセットして、いざフィールドへ。 テナ
2018/10/23(火)
コスモスいろいろ【前編】
つい2ヶ月ほど前までの、猛暑の日々がウソみたい。急激に涼しくなってしまったので、いまひとつピンとこない感じもするのですが…今はまぎれもなく秋!行楽シーズンです。
この時期、お出かけ先でついつい足を止めてしまう方も多いのでは?
コスモス!郊外の空き地とか公園とか、
店頭やご自宅前のちょっとしたスペースなどにもコスモスの花!
普段、草花にあまり興味を持てない方も、気が付けばスマホを向けてたりして。
こちらにも熱心に撮影中の人が…SNSに投稿したりするのでしょうか?インスタグラムなどで“# コスモス”なんて検索すると、何十万件もヒットしたりするし。
個人的な感想で申し訳ないですが、私、ボーダーレスに入社する前は草花を植えたり抜いたり切ったり潤わせたりする仕事してましたので、植物に関してはすべて『枯れているか、枯れていないか?』ぐらいの判断基準しか持ち合わせておらず…わざわざ写真撮る気にならなかったりもするのですが。
それでも、一面のコスモス畑を見ると「ああー、もうすっかり秋ですねー。」なんて、少し物憂げな気持ちになることも。なんといっても『秋桜』ですから。
ちなみに『秋桜』と書いてコスモスと読む、これって本当は“当て字”。1977年にリリースされた山口百恵さんの大ヒット曲からきたものです。70年代~80年代のJポップ界では、このような当て字や造語が流行ったみたい。『銃爪』と書いて“ひきがね”だったり、『聖母』は“マドンナ”と読んだりとか。なので、正確にはアキザクラと読むべきかと思うのです。
コスモス界の王様、オオハルシャギク
コスモスはキク科の植物で、原産地はメキシコ。荒れて乾燥した、草花にとっては厳しいといえる気候の中で進化したのだそうです。原種はピンク色の花だったということ。
ヨーロッパに伝えられ、改良を重ねさまざまな色や形の花を咲かせるようになったそうですよ。現在では多くの品種(というか商品名の場合も)が知られていますが、種類として大きく分けると3つ、『オオハルシャギク』・『キバナコスモス』・『チョコレートコスモス』に分かれます。
一番ポピュラーなのがオオハルシャギク。漢字で書くと“大春車菊”。秋を代表する花なのに“春”って不思議な感じですね。その名の通り春に花を咲かせるハルシャギクという花があるのですが、きっと、それの大きいバージョンという意味ではないか?と。
ちなみに「ハルシャ」というのは、ペルシャ(現在のイラン)が語源になっているとか…というような話は置いておいて。こんな感じに公園の花壇とか、観光地のコスモス畑などに植えられているのは、ほぼ100%オオハルシャギクで間違いないと思います。
なので、コスモス=オオハルシャギクでOKでしょう。色とりどり、花びらの形もさまざまですが、これらも全部オオハルシャギク。
分かりやすい特徴としては、葉っぱの形でしょうか。このように先端が細く分かれています。この時期、遠目には似たように見える花も多いですが、この葉の形を覚えておけば見間違えることはないかと。
さっきもちょこっと書いたように、コスモスには品種改良されたものも多いので、同じオオハルシャギクでも容姿はさまざまです。
公園の花壇などではこのように、手前に背丈の低いコスモスが植えられている場合も多いですよね。この小さいコスモス、観葉植物や園芸の世界ではおなじみの、いわゆる“矮性種(わいせいしゅ)”というものです。“ミニひまわり”とか、よく見かけますよね。あれと同じ。
背丈が低いので、玄関先のプランターなどにも植えやすいし、何よりも台風や大雨が直撃しても茎が折れにくいので安心。これはたぶん“ソナタ”という品種だと思います。というか、家庭でコスモス植えるなら、最近はもうソナタが主流になっているのでは?
こちらも矮性。さらに背丈が低いみたい。
ベルサイユホワイトという品種だそうですが…品種というよりも商品名に近いかも。花びらがグラデーションになっててとってもキレイ。
そしてこれは、少しレアなイエローガーデン。日本で作られた品種だそうですよ。
幻想的なこちらはキャンパスオレンジ。フォトショップとかで加工したわけではありません。写真を撮ったときにはちょうどこんな色でした。
よーく観察していないと分からないのですが、コスモスの花びらって、色が日々変化していくものも多いです。これももう少し日にちが経てば、オレンジ色がさらに強くなってくるはず。
なんでこんな色になるんでしょうか…?まったく大自然の不思議。
鉢植えのこちらも、葉の形からしてコスモス、オオハルシャギクでしょう…たぶんアンティキティという品種だと思うのですが、違うかなぁ?
まあ、宇宙に散らばる星の如く、とまでは言わないにしても、本当に多くの品種が作られているのがコスモスですから、よっぽどマニアでない限り、いつも見かけるコスモスはオオハルシャギクという種類なんだな、ぐらい知ってればよいかと。
広いコスモス畑に行くことがあったら、花を一つ一つ見比べてみては?一見同じように思えても、実はそれぞれ花びらの枚数が異なっていたり、ほんのりと違う色が差していたり…それぞれ別の表情を持っていたりするものです。
ワイルドなキバナコスモス
続いてはキバナコスモス。その名前の通り、黄色い花を咲かせるコスモスなんですが。もう一つ特徴が。とにかく頑丈!とにかくワイルド!!
たとえば、こんな雑草ぼうぼうの空き地にて。
よーく目を凝らして見てみると、ところどころに黄色い花が咲いているじゃないか。
セイタカアワダチソウとかも黄色い花つけますしね、もしかしたら雑草の花かもな?なんて疑いつつ、草むらをかき分け進んでいくと…
まるで囚われの身のように、他の草に全身を締め付けられていながらも、ちゃんと立派な花を咲かせているじゃないか?しかもその花の形はコスモスのそれ。
荒天も荒地も関係なし。周囲の雑草なんて気にしない、というか自身がほぼ雑草レベルの図々しさとたくましさを持つ、これがキバナコスモスです。