福岡在住の人がお歳暮やお中元に選びがちなのは、やはり明太子でしょう。確実に喜ばれます。ごはんのおかずに、お酒のア
2017/04/25(火)
“ネコの島”で有名な相島に春がきました【後編】
“いちげんさん”は近寄るのも憚られる雰囲気ぷんぷんの、相島にある立ち呑み屋さん。角打ち(かくうち)という言い方をしたりもしますが、
簡単に説明すると、要は『その場で飲める酒屋さん』ということで、『お酒を買ったお客さんが、そのままお店の中で飲んじゃったよ!』というのが大義名分、つまり飲食店ではないけれど、実質的にはバーと同じ、といった感じか。
なので、立ち飲み屋だからといって、立ったまま飲まなきゃいけないというものではありません。店内のイスに勝手にオレたち座っているだけですよ。
お店の中はこんな雰囲気。
この酒屋さんの土間で勝手に呑む、というテイです。
代金は宅飲み感覚の安さ。
生ビールと、飲めない人はサイダー、そして立ち呑みといえば缶詰!サバ缶!!
隣の席には70代ぐらいの大ベテラン漁師さんが2人、朝の仕事を終えて缶ビールで一息入れておられる真っ最中。
「まさかこの島で、外国の人たちをこんなにもたくさん見ることになるとは…」と、お二方とも驚きの毎日だそうな。そりゃそうでしょうね(笑)
この漁師さんたちからは、相島にまつわる面白いお話を他にもたくさん聞かせてもらえました。例えば、お店の中に飾ってあった魚の干物のようなコレ。
これは毎年11月15日にこの島で行われている『龍王祭』の際に、各家庭に配られるものだそうで、
焼いたイワシとタイを縄で縛り、串に刺して焼いたものです。「やき~いお」か「やき~お」とか何とか…おじさんたちの新宮弁?相島弁?がキツすぎて、ちょっとなに仰ってるんだかサッパリ聞き取れませんでしたが、おそらくは『やきうお(焼き魚)』かなぁ?
この縄の締め方にも、ちゃんとした“決まり事”があるという、由緒正しいお飾り。一年間、家に飾って、また翌年の龍神祭のときに取り替えて、豊漁を祈願するのだそうです。
三ツ矢サイダーとノンアルコールビールだけですが、いちおうソフトドリンクもありますし、もちろんタバコだってゆっくり吸えますし、島の人たちと楽しい触れ合いができるかも?
ちょっとした休憩用のカフェ代わりにも…
まあ、こうやって改めて見直すと、入店するのにかなりの勇気を必要としそうですけれど(笑)西尾酒店、中は意外と快適ですよ!
ちなみに、この店頭にも、
よく見ると、目つきの悪すぎる黒ネコが。ますますお店に入りにくいよ!
カフェやレストランもありますよ!
カフェ代わりに立ち呑み屋さんはちょっと…という方のために、
この春、島カフェがオープンしました!
以前は相島の歴史が学べる展示スペースだったところが、
オシャレな雰囲気のカフェになってリニューアル。
海も見える明るいお店。さっきの立ち飲み屋さんとエラい違いだ!!
一押しメニューはこの『旬のおさかなバーガー』。相島で獲れる旬の海の幸を使ったフィッシュバーガーで、このときはヤズ(ブリ・ハマチの若魚。関東でのイナダぐらいか?)でした。とっても肉厚でボリューム満点。
1階下はおなじみ、前回も紹介した丸山食堂。島のレストランです。
ここの海鮮チャンポンも最高です。ただ、島内に飲食できる場所がそう多くないせいもあって、休日などはけっこう待たされることも…
お店に置いてある、懐かしのヒカルの碁を読みつつ、待つことしばし…
運ばれてきたのがこの特製の海鮮チャンポン。神の一手に迫る美味しさですよ!
恋の季節
せっかく相島に来ているんだから、もう少しネコの姿も…ということで。
俳句の世界には季語というものがありますが、『猫の恋』や『恋猫』という言葉、実はこれらも立派な季語です。
もちろん、春の季語。ちょうど今ごろの相島では、イチャイチャしてるネコたちにあちこちで出くわします。
なんか、写真撮るのは忍びないのですが。
そんな!目のまん前で、あからさますぎるよキミら!!
デート中か?連れ立ってどこかへ向かう2匹。
これは…もしかしたら親子かなぁ?
写真週刊誌の記者になった気分で、遠くからこっそり密会現場を激写…のつもりが、よく見たら、右のほうのネコはもうすでにお腹が大きい?
コッチでもイチャイチャしてるかー、と思ってたら、
マジのケンカ中でした。いい右のボディブローが入ってます!
本当はもっとあからさまなラブシーンも撮ったのですが、そこはまぁ、武士の情けで、公開するのはヤメておいてあげましょう。
こんなにも自由にイチャイチャしてるネコたちの姿を見ていると、「島の中にネコが増えすぎたりしないのかなぁ?」と心配になってしまうのですが。
島に住んでいる人に聞いてみると、「自然に増えたり減ったりしてる。今はどちらかというと少ないほうだ。」という答えが返ってきたりもします。
このあたりに、相島の人たちとネコたちの歩んできた歴史の重みというか。必要以上に人間に媚びないネコたちと、過保護になりすぎない島の人たちとの絶妙な関係性が、理想的な“ネコのパラダイス”を築いているように思えるのです。
もう少し、ネコの姿も…
『相島!春フェスタ』も、そしてネコたちとの楽しい戯れのひとときも、アッと言う間に過ぎてしまって。もう帰らなくては!
帰りは臨時便の小さい船で。毎度毎度、後ろ髪引かれるとはこのことだ…
相島のネコの写真をアップしているサイトは他にもたくさんあるから、『ボーダーレスの秘密』は、そこ以外の島の魅力も…と思っていたら、さすがに今回はネコの姿が少なすぎましたね。
ちょっともったいない気もするので、次回はオマケということで。
もう少しネコの写真と、そして、あまり紹介されることはありませんが、相島って実は花がいっぱい咲いている島でもあるので、その辺りをちょこっと紹介できればなぁと思います。