>前編はコチラ< ただいま『ひぜんや』さんの“王道・たまごプリン”と、『白水荘』さんの
2017/08/15(火)
福岡・朝倉地区周辺の今(2017年8月上旬)【前編】
九州北部に大被害を与えた豪雨から、およそ1ヶ月が経ちました。被災された皆さまへ、心よりお見舞い申し上げます。
福岡に住んでいる身として、被災地への心配を日々募らせてはいたものの、復興の妨げになることを避けたく思い、できるだけ現地に近寄らないようにし、そして、不必要または間違った情報の発信も避けるべく、このブログでも敢えて災害には触れないようにしていました。
福岡ローカルのニュース等で、最近になって『道の駅の営業再開』や『朝倉の三連水車は無事に健在』といった話題が取り上げられることも増えてきた所に、朝倉市近くに仕事で訪れる機会もありましたので、この場を使い、全国の皆さんに、福岡県朝倉市の現在の様子をお伝えしようと思います。
福岡市内から車で筑紫野を越えて。この写真は、たしかまだ朝倉市に入る少し前、たぶん隣の小郡市だったと思うのですが、
助手席からの写真。このように、至るところでまだ少し、道路の片側通行や通行の規制が行われています。
さらに朝倉市に近付いていくと、
工事中の道路が増えてきます。
車窓から外を眺めてみると、
一見、何の変哲もない田園風景のようにも思えますが、やはり異様です。
朝倉市周辺は農業の盛んなところで、お米や野菜、そして果物の名産地でもあります。この時期に田畑が更地になっているなんてあり得ない。
ここにはおそらく、お米か何かが植えられていたはずなのに、あの豪雨のせいで、だめになってしまったんだと思います。春先の田おこしから田植え、そして収穫まであと少しのところで、すべてを棒に振らざるを得なくなった農家の方々の気持ち、察するに余りあります。
朝倉市に入ってすぐ、西の端っこのほう。ニュースでは被害について、そうは触れられてはいない地域だと思うのですが、それでも、
川という川はほぼ崩壊しています。
この『ボーダーレスの秘密』にも時々書いている通り、福岡県は“川の流れる街”。県内いたるところに大小さまざまの川が流れ、大地を潤し、海に豊富な栄養を注ぎ込むからこそ、美味しい食べ物に恵まれていると思うのですが。
その川の流れも、今回の災害に加担したのかとかと考えると、どうにもやり切れなくなってしまいます。
川のすぐそばには、山から流され運ばれてきたであろう大木や草木の根っこが散乱。そして、その先には無残にめくれ上がったアスファルト。水や土砂の勢いが凄まじかったことを物語っています。
朝倉市内に入ってすぐにこの有様、復興どころか、ようやく国道が整備され始めたところであるという現状に驚きます。そして、全国の人たちにもこの状況を知ってもらいたいという気持ちと、部外者でしかない僕が、無作法に写真を撮ったりしてもよいものだろうかという気持ちが綯い交ぜになり、とても申し訳ないような気分になりもしました。
道路上に積もった土砂や流木などを除けただけの道路を通り、
そして、道の両サイドに広がる田畑はほぼ壊滅状態。
そんな中、到着したのが
『三連水車の里 あさくら』。農作物などの直売所ですが、それよりも“道の駅”という感じのところです。
駐車場の入り口の部分。
たしか、植え込みがあって、緑豊かだったはずなんですが。
木が一本、残っているだけ。
駐車スペース以外のところには、
まだまだ大量の土砂がそのままの姿で残っています。
根元だけ残り、幹の部分から折れている木。折れたというよりも、もぎ取られたかようです。
この部分にも、たしか木が何本も植えられていたように記憶するのですが、今は車止めやコンクリート製のポールスタンドの置き場に。
しかしながら、
7月の末に、ひとまずの営業再開を果たされたそうです。福岡ではニュースになっていました。個人的には凄く大切なことのように感じます。
本格的な復興はまだまだ先で、しかも、今も(※これを書いているのは2017年8月上旬です)行方不明の方がおられますし、避難所暮らしを強いられている人たちも大勢おられる中で、よそ者が意見できるわけもありませんが、
それでも僕は、一刻も早くこの直売所で手作りお惣菜や果物を買いたいと願っていました。福岡って、果物のイメージはあまりないかも知れません。でも、朝倉市や朝倉郡はモモやブドウ、リンゴとか、あと柿など、フルーツの名産地でもあります。
個人的にはモモがおすすめ!この日は直売所がすでに閉まっていたので(もしかしたら早仕舞いだったのかも?)買えなかったのですが、さらにもう少し街が落ち着いたら、また買いに来ようと思いました。
この直売所『三連水車 あさくらの里』には、広々とした公園が併設されています。
今のところはまだ、残念ながら“併設されていた”というのが正しいようにも思えますが、子供たち向けの遊具は流されてしまうことなく健在だったので一安心…
と思いながら、据え付けのベンチに目をやってみると、分かりますでしょうか?
ベンチの足の部分が、すべて土砂に埋もれてしまっていました。
あの遊具たちも、流されてはいないものの、かなりの部分が埋もれてしまっているということなのでしょう。