>【前編】はこちら< 今、僕が立っているこの場所も、実は山から流されてきた土石流の上だったということ。
2017/05/26(金)
【おまけ】好きな人にはタマラなさそうな福岡市早良区
前回は、ITとの融合が止まらない『御朱印AR』を体験すべく、紅葉八幡宮のある福岡市の早良区というところに行ってきました。
早良区(さわらく)というのは、南北に細長く広がる福岡市内最大の区域で、南のほうは山がちで緑が豊か、北のほうはいわゆるベイサイドで、近年は『住みたいエリア・トップ10』の上位にランクインもする人気の街です。
前回もちょこっと書いたように、オフィスの多い博多区や中央区などにも近くて、福岡県民にとっては住宅街のイメージが強いかも?なので、住んでいる人以外にはあまり用がないというか、遊びに行ったりするようなことは滅多に無いような街というか。
ですが、他府県から観光に来た友達などを連れて行くと、これがけっこう喜ばれたりする街でもあるんですよね。福岡に住んでる私たちからすれば、なんだか少し不思議な感じ!?
というわけで、せっかく来たんだし、紅葉八幡宮のある北側のほうのエリアを中心に、ちょっとだけ『早良区』の見どころを紹介しようと思います。
西新商店街
まずは、紅葉八幡宮からもそう遠くないところにある、
西新(にしじん)商店街。
この界隈にはいくつかの商店街が並んでいるのですが、今回は細かく分けずに、まとめてザックリと“西新商店街”ということにしておきます。
地域密着型の商店街なので、正直なところ、私もそんなに詳しくないのですが…
いつ行っても賑わっているというか、活気に満ち溢れているイメージ。
そして、気になるお店が多いです。
おしゃれな洋菓子屋さん、
古着&雑貨のお店とか、
こちらにも、かわいい名前の雑貨屋さん。
誰が気付くのか?誰のためにあるのかもよくわからない、路地の奥の奥の片隅にひっそりと、小洒落た雰囲気のカフェ。
トマトしか置いていない露店。
しかも全部が計り売りだったりして。
若い人向けのお店だけではなくて、基本は昔ながらの地元の商店街。
あちこちに、暗くて怪しい細い路地。勇気を出して踏み込んでみると、福岡らしく真っ昼間から心置きなく呑めるお店。
福岡市内で初めてお肉を売ったといわれている老舗『肉類の勉強屋』。
あやしすぎる複合ビル、
和風スナックの隣に、どういうつもりで名付けたのかサッパリ分からない『愛のジョージ』などなど、絵になるお店もたくさん残ってます、西新商店街。
昭和の風景が好きな方にはタマラない街じゃないでしょうか?あと写真好きな方やインスタグラム派な方にも。どのお店もスタッフの皆さんノリが良くて、お願いすれば気さくに写真を撮らせてくれますよ。
九州にお住まいの方には有名な蜂楽饅頭。
今川焼きとか回転焼きというのですか?他の地域では。
九州エリアではチェーン展開している有名なお店で、いつも行列が出来ています。まあ、食べ比べしてみてください。今川焼きには負けてないハズ??
この西新商店街、本当は『リヤカー部隊』と呼ばれている、屋台のようなお店が有名なのですが…この日は発見できずじまい。すみません、地元ではないので、あまり詳しくないのです。
別の機会に、この西新商店街のことをよく知っている人に案内してもらいながら、もうちょっと掘り下げて紹介できればと思います。
歴史好きの方には…
西新商店街のすぐ近くに、こんな石碑が。
『元寇防塁』と刻んであります。
1274年の文永の役、1281年の弘安の役と、フビライ=ハン率いる『元』の国が2度に渡り日本を侵略しようとしたという、歴史の授業で習ったあの元寇です。
福岡タワーを遠くに見ながら、5分ぐらい真っ直ぐに歩いていくと、
住宅街のど真ん中に、実に分りにくい感じで『元寇神社』が。松林の中にひっそりと建っていて、むしろ祠(ほこら)と呼ぶほうが正しい?
この横にあるのが、
このような石積み。これが元寇防塁です。元軍が攻め込んでくるのを防ぐために作られた、いわゆるバリケードのようなもの。
当時は福岡県の沿岸部におよそ20キロメートルに渡って築かれていたそうで、その一部が今もこうやって保存されています…が。
正直、あまり大切に保存されていないような…というか、福岡の人はあまり関心を示してないような気が。
草ぼうぼうの松林の中に、ポツンと置き去りにされている感じも。もしこれが無かったら、日本史は大きく変わってかもしれないのになぁ…
九州の北部、玄界灘沿岸部にはこのような元寇にまつわる遺跡がいくつか残されています。歴史好きな方なら興味津々かも!?こちらも機会があれば、またまとめて紹介したいですね。
あの名曲の聖地!
早良区を流れる、
室見川(むろみがわ)。
一見、何の変哲もない普通の川のようですが。
この川、スピッツの名曲“ロビンソン”のモチーフになったと言われています。
前回ちょこっと書きましたが、この早良区はタレントやアーティストなど有名人を数多く輩出した街でもあります。
草野マサムネさんもその一人。ロビンソンの歌詞に登場する川原は、この室見川のほとりのことなのだとか。
たしかに自転車、走ってます。追いかけるべき?
室見川はまあまあ大きな川なので、この写真の場所がズバリあの歌詞に出てくる場所なのかどうかは分らないのですが、いたるところにベンチもあったりして、夜になれば2人だけになれそうなロケーション。
捨てネコはいませんでしたが、
美しいカモと、
寂しげに川面を見つめるカラスがいました。
この川の近くには、草野マサムネさんが通った小学校や中学校もあったりして、ちょっとした“スピッツの聖地”のようになっているみたいですね。ファンにはタマラないスポットなのではないでしょうか?
正しい街、早良区
この室見川、椎名林檎さんの“正しい街”の歌詞にも登場します。椎名林檎さんも早良区育ちなので、聖地的な場所が区内にいくつかあるそうな。
ちなみに百道浜(ももちはま)も早良区です。
神社があって商店街があって、教科書に載るような遺跡があって、山も川も海もあって、
住宅街を少し外れたら、田んぼや畑もそこらじゅうに広がっているし。
ひさしぶりにゆっくりと早良区を回ってみて、たしかに正しい街・正しい福岡はここなのかも?と思いました。
福岡観光の合間に、早良区もいかが?ちょっとだけマニアックですけどね。