「暦の上では秋」なんていう季節のご挨拶は、きっと嘘なんだと思うことにしています。ボーダレススタッフ一同、まだまだ
2017/07/14(金)
怪談『耳なし芳一』の舞台になった神社【後編】
『耳なし芳一』の像。
優しいお顔をされています…が、やっぱり、どことなく怖いというのが正直な印象です。もちろん、耳はありません。
この芳一像が納められている『芳一堂』のすぐそばに、
平家一門の墓があります。
芳一が琵琶を弾いた墓地
目の見えない琵琶法師の芳一が、平家の亡霊に案内されて、
平家物語の弾き語りを行っていたのがここでしょう。
怖がらせるために、わざと暗い写真を使っているわけではありません。この墓地だけ、なぜかひどく日当たりが悪いというか。あまり日が差さないのです。
心霊スポットと言われるのも分かる気がします。周りを木々に囲まれているせいもあるのでしょうが、それ以前に、なんというか、もともと“暗い場所”という感じがします。
霊感の全くない僕でも、あまり長居はしたくない雰囲気。墓石に見られているというか、監視されているというような気さえしてきます。
幼いからこそ命を救われた頼朝に追われ、幼い帝を護り切れなかった誇り高き平家武者たちの無念を思うと、長居して無作法に写真を撮りまくるのも憚られます。
まあ、僕のようなド素人が言うことなので、あまり真に受ける必要もないかと思いますが。霊感があると自覚されている方は、あまり興味本位で近付かないほうがよい場所のような気がします。
他にも怖い場所が…
【前編】でも紹介したように、この赤間神宮はとても美しい神社です。
天水門から本殿にかけては、まるで竜宮城のよう。
ですが、参道を少し外れると、ちょっと怖い感じといいますか…現代の神社には、日本の歴史や文化を伝える観光地的な役割もあると思うので、あまり不安を煽るようなことを書くのもどうかと思うのですが。
水天供養塔。平たくいうと、海難事故で亡くなった人たちの魂を安らかにお守りくださる塔です。なので、本当は怖いはずがないのですが。この塔の周辺の空気は少し異様というか。用も無いのに近付いてはいけない気配が漂っています。
楠でしょうか?まるでV-JOLTとかが効きそうな根元。こういうのを“霊木”というのではなかろうか…
そして、個人的にいちばん「ただならぬ雰囲気」を感じたのが、
赤間神宮の境内から、摂末社に向かう小路。
こうやって写真で見るかぎり、そう不思議なところもなく、よくある小さな参道という感じですが、
なんか、もう、あまり先には進みたくないような気持ちに。不思議です。体力が奪われていくような気さえしてきます。
軽い登り勾配の先に、
不老長寿にご利益があるとされる大連神社と、商売繁盛の紅石稲荷神社があるのですが…個人的には、ここがいちばん、ちょっとアレというか。
はっきり言って、怖かったです。特に何がというわけではないのですが、もう雰囲気が異様というか、空気が重苦しすぎるというか。
高台にあるし、太陽の光は差し込んでくるのに、
なぜか、辺りはとても暗く、そしてジメジメしていて、そこらじゅうに苔が生えていて。湿度も異常に高いのに、それでいてヒンヤリ涼しくて。
個人的には、ここが一番の心霊スポットのような気がします。
この鳥居には、見たことないような巨大な蜘蛛の抜け殻がブラブラとぶら下がっていたりして、不気味さ満点。「夜中にこの鳥居に集合!」なんて約束、間違いなくスッポかします。
安徳天皇陵に
そんなこんなで、一通りお参りを済ませたら、最後に、
安徳天皇陵に参詣しましょう。楼門近く、つまり神社の入り口近くにあるのですが、順路としてはおそらく最後に参るべきかと思います。
安徳天皇のお墓だと言い伝えられている場所は全国にありますが、この赤間神宮が正式なものとされているようです。御入水の後に水天宮(水天皇)という、水の神様になられていますので、この敷地に存在するものはすべて神の持ち物。バチが当たっても平気という人以外は、小石ひとつ持ち帰るべからずでしょう。
平氏と源氏が最後に争った壇ノ浦を見据えるように、
こちらが安徳天皇陵。僕のような者が中に入れるわけもなく、ここからお祈り…境内にて無作法に写真を撮りまくったりして申し訳ありませんでした。どうかお許しくださいませ。
帰り道に車のライトが突然切れたり、このブログを書いている間にパソコンが絶不調に陥り、文章が片っ端から消えていって復旧不可能になったり、体の調子が非常に悪くなったりと、耳なし芳一のように平家の亡霊に若干ビビりつつも、とりあえずオマケ。
赤間神宮のご朱印です。とってもシンプル。菊の御門も八重っぽく見えるんですよね、印なので判別しにくいですが…いかにも神宮らしくて見事です。
いろいろと怖いことも書きましたが、それはたぶん、僕が不躾に写真を撮りまくったり、雑にブログに書いたりしたからであって 、
普通に、平らかな気持ちで参拝するなら、こんなに美しい神社はそうないと思います赤間神宮。肝試し気分でチャラく参詣すれば、それは僕らも保障できかねますので悪しからず。。。