>前編はこちら< 大阪の阪急十三駅に降り立って、 『ポテトうどん
2016/05/24(火)
関門海峡を歩いて渡りたい。【中編】
本州と九州を分ける海、関門海峡を渡るには、
吊り橋の『関門橋』か、海底を走る『関門トンネル』のどちらかを利用するのが一般的ですが、関門橋のほうは高速道路の一部なので、車両での通行しかできません。
でも、関門トンネルのほうは、
この図のように、車両専用道路のさらに下に、人間専用の歩道が作られているのだそうです。海と山に囲まれたトンネル王国の日本でも、このような二層構造はとても珍しいとのこと。
ちなみに、トンネルの構造はこのようになっていて、
車両専用道路も合わせたトンネル全体の長さは3461.4メートル。そのうち人間専用の『人道』は780メートル。
そして、いま立っているこのフロアは、海面下約51メートルとのこと…そう聞くと、なんだかちょっと恐い気もしますが、
トンネルの人間専用通路は目の前、しかもクッキリはっきりと『下関』と書かれてもいますし。迷わず進みましょう。行けば分かるさ!
そうそう、もう一丁ちなみに…
真上を走る車両専用道路の一部なので、この人道も“国道2号線”らしいです。
いよいよトンネルを進む…
と、いうことで、いよいよ関門トンネルの人道に一歩踏み出す…
とっても明るいです。ここがおよそ海底50メートルだなんて、ちょっと不思議な気分。
この写真は左側に寄って撮っていますが、道路は右側通行です。【前編】にも書いた通り、20円払えば自転車やバイクも可ですが、
このように、押して歩かなければなりません。乗り禁止!
…よく見れば、このバイクの方、左側の道を歩いていますね。これはルール違反です。ダメなことなのですが、これには仕方ない理由も。
とにかくみなさん走ってます!
どうやら、地元では絶好のランニングコースになっているようです。みなさん、けっこうなスピードで走っていらっしゃいます。中には、中学か高校の部活の一環(?)みたいな生徒さんたちもいたりして。
僕のように写真を撮りながらとか、あと、先ほどのような、バイクや自転車を押しながらのゆっくりとした歩行は、逆に危なっかしい場面もありました。
まーこれはでも仕方ないですよね。北九州・下関あたりは交通量も多いから、なかなか地上では気ままに走れるコースもないでしょうし。その点、このトンネル内は車が飛び出してくることもないですし、直線だし、明るいし、しかも無料だし。
写真を撮りつつも、時に道を譲りつつ…海底を徒にて本州へと進みます。
退屈な道のりに…!?
道をひたすら、
とにかく直進。てくてくと歩き続ける…ここが海の底であることもついつい忘れてしまいそうになります。
手抜きして同じ写真を使いまわしているように見えるかもですが、そんなことはありません。当たり前ですが同じ風景なんです。正直、少々退屈してきました…
壁に描かれている魚の絵を見て、
コブダイですね。若い頃はメスで、大人になったらオスになるというベラ科の魚ですね。したがってこの絵の頃はもうオスかぁ…とか、それぐらいしか考えることもなく。
そうそう、いちおう念のため。
トンネル内にはこのような緊急連絡用のインターホンが何ヶ所も設置されていましたので、トラブルが起こっても安心です。
こちらに描かれているのは、マダイ?それともチヌ?
ここは海底およそ50メートルですから、おそらくはマダイでしょう…
またまたコブダイ。チヌ釣りしてるときにコイツが掛かったら困るんですよね。身が柔らかくて水っぽいから、関西あたりでは不味い魚とされていますが、鍋料理にはいいですよ。特にコブのゼラチンが…
マジで退屈してきました。ただひたすら、真っすぐの道を歩くだけで、特に目新しいものが飛び込んでくるでもなく。あまり書くこともなさそうだし。期待した割にはイマイチだったかなぁ、この関門海峡を徒歩越えするのって。
などと考えつつ、ボーッとただひたすら歩き続けていたら、
おおおっ!これは?いきなり地面に描かれた文字がめに飛び込んできました。
『福岡県―山口県』ですか!
ここがまさに県境ということですか!
道だけでなく、壁にも、
ここが県境であるということ、はっきりと書かれています。
…それがどないしてん?と言われるかもしれませんが。この場に立ってみると、けっこう感動します。
嬉しさのあまり、通りかかった散歩中のご夫婦にお願いし、記念写真を撮ってもらったりして。
(つづく)