>前編はこちら< こちらが柴右衛門狸さま… のイメージ(?) 関西
2015/06/18(木)
牛骨スープのヤミツキ系『下松ラーメン』はいかが?【前編】
さて、いきなりですが…ラーメンのスープといえば?
代表的なのは、豚の骨からダシを取った“トンコツスープ”でしょうか。他にはトリガラとか、最近では魚介系をウリにしているお店も多いですよね。
しかし、今回ぼくが紹介するのは『牛骨』。牛の骨から取ったダシで作るラーメンです。
ご当地ラーメン界では全国的にも珍しい牛骨系ラーメン。そんな、牛骨ダシの味にこだわり抜いているのが、山口県下松市の下松ラーメンです!
山口県下松市とは?
山口県の南東に位置するのが下松市。地図で見るとこの辺りです。
地図の右上(北東)に広島市が見えます。広い広い山口県の瀬戸内海側、広島県寄りの地域です。
山口市内からも少し距離があります。市内から少し離れたこの地で、独自の進化を遂げていったご当地ラーメンこそが、牛骨・醤油ベースの『下松ラーメン』なのです。
…ちなみに、『下松』と書いて「くだまつ」と読みます。
よく「しもまつ」とか「したまつ」などと読み間違えられたりするそうなので、一応念のため。
JR下松駅に降り立って…
JR山口駅から電車でおよそ1時間半ぐらい?新幹線の停まる新山口駅からだと1時間ぐらいでしょうか?
ローカル線にノンビリ揺られて到着するのが、この『JR下松駅』です。
この駅を中心に、半世紀以上も前から地元の人達に愛され続けている、牛骨ベースの下松系ラーメン店が点在しています。
後から知ったんですが、
この下松市には新幹線を作る工場があるのだとか。
“笑いと花と童謡の街”でもあるそうですが、正直言って、駅前にもかかわらず、あまり人通りが多いとは言えないような…ブームも定着して一般化しつつある『ご当地ラーメン』ですが、牛骨ラーメンをPRするような看板もチラシ類も見当たらず。
とはいえ、その辺りに、逆に好感が持てたりもしますね。あまり地元興しの宣伝に使われたりしていないところが、本当の名物っぽい感じがします。
下松ラーメンの代表格『紅蘭』
下松駅から、ほんのちょっと歩いて…見えてくるのが赤いノレン。
下松ラーメンの代表格的存在『紅蘭(こうらん)』です。50年以上の歴史を持つ、下松ラーメンの元祖的存在です。大人気のお店!
開店間もない朝11時ごろにお邪魔したのですが(開店時間は朝10:30~)すでにほとんど満席状態。なので、店内の写真は自粛しましたが、木目を活かしたキレイなお店です。
お持ち帰りもあるみたい。
店員さんによると、この下松ラーメンは稲荷ずしと一緒に食べるのが定番なんだとか。
なので、さっそく注文。ツヤツヤしていて美味しそう!!
で、ラーメンを待つこと数分…
これが『下松ラーメン』です。見た目は普通の醤油ラーメンとあまり変わりません。ですが、スープを一口飲んでみると、その違いに驚きます。これまで味わったことのない、独特のラーメンです。
牛骨を使ったスープだから、焼肉屋さんのテールスープに近い?いや、それよりももう一段、甘味と、醤油の風味が強いです。いろんな具材を煮込んだ後の、“すき焼き”の残りを、上質のテールスープで割った感じに近い?そのぐらい、深い旨味とコクが口の中に広がります。
麺はこんな感じ。
ストレート中麺、やや太めでしょうか。コシも若干強めです。スープの甘味と醤油の風味とを、やや太めの麺がしっかりと受け止めて、ちょうどイイ感じの調和っぷり。
そこに、お店の方オススメの稲荷ずし…最強のコンボです。お稲荷さんの強めの甘味がラーメンのほんのり甘味を打ち消して、牛骨スープならではの、独特の風味と旨味を表舞台に引っ張り出します。別のラーメンを食べているかのような錯覚に!
ほんのりとした甘味と、独特の牛骨風味。深い旨味とコク。これはクセになります。ヤミツキになりそう!!