>【前編】はこちら< 『耳なし芳一』の像。 優しいお顔をされています…が
2018/10/30(火)
広島・呉のカレーライス
熊本市長の大西一史さんが、今年9月に起こった北海道地震の際にツイッターで「連休は北海道に観光に行ってください、それが復興支援になると思います」といった旨の投稿をされて話題になりましたね。僕も全く同感です。
なので、10月の連休に僕も北海道へ行こうか?とも考えたのですが、日程的にちょっと厳しくて断念…ざんねん。。。
そんなわけで今回は、今年の大雨で甚大な被害を被った、広島県の呉(くれ)周辺を観光してきました。
“大人の社会科見学”として密かな人気の、海上自衛隊第1術科学校見学
旧・海軍兵学校見学といったほうが通りがよいかも?にも参加してきましたし。
自衛官OBの方(?)の説明を聞きつつ、ぞろぞろと校舎内を見学…これがとっても楽しかったです!堅苦しい話は一切なし。むしろ旧海軍や海上自衛隊のこぼれ話や、ちょっと恥ずかしいような失敗話なんかが中心の、面白い説法を聞くという感じ。
日本の海軍はイギリス海軍の流れを汲んでいることもあって、発足当時から“ユーモア”を大切にしているそうです。『ユーモアを解せざる者は海軍軍人の資格なし』という言葉もあるそうで。そりゃそうですよね、野郎ばかりで何日間も船の上に閉じ込められるのだから、シャレが通じないとシンドいはずだ…
ユーモアのほかにもうひとつ、イギリス海軍から取り入れたものが
カレーです。明治時代、日本の兵隊さんの間で大問題になっていた病気『脚気(かっけ)』をなくすため、イギリス海軍の食生活を参考にして作られたのが日本風のカレーライス。
それまで日本で食べられていたカレーは、サラサラとしてとろみの少ない、今でいうところの上品な感じのものが多かったそう。揺れる船の上で、こぼさずに食べられるようにと、とろみを強めに付けたのが海軍のカレー。現在どの家庭でも普通に食べられているカレーは、この海軍式のものが原点のひとつになっているそうです。
見学した第1術科学校内のレストランで食べてきました、こちらが海軍カレー。
見た感じも香りも普通です。具材も肉・じゃがいも・たまねぎ・にんじんと、いたって普通。
味も普通、特別に美味しいということもないです、正直言って。むしろ実家で晩ゴハン食べてる感じ。でもきっと、そこがいいところなんでしょうね。
日本の家庭にカレーライスが普及した理由には、軍を除隊した人たちの“思い出”というのもあるそうです。軍隊を辞めたあと、当時を懐かしんで作ったのがこの味。格別にウマいとうわけではないけれど、定期的に食べたくなるような、恋しくなるようなカレーライスでした。
呉市内には、この学校内のレストランだけでなく、
たとえば、有名な『潜水艦桟橋』のまん前にあるレストランの港町珈琲店では、
潜水艦『くろしお』内で実際に出されているカレーをほぼ忠実に再現したものが食べられたりと、神保町もびっくりのカレー激戦区となっている模様。カレーライスはお腹にたまるから、そんなにたくさんは食べられないけれど…いつの日か、食べ歩きやってみたいなぁ。
呉市といえば、かつては軍港の街で、どちらかといえば年配の方の観光地だったり、ミリタリーマニアが集まる場所だったりしたものですが、
『艦これ』の影響や、あと『この世界の片隅に』の舞台になったこともあって、今では世代を超えた多くの人が訪れる街になっているみたいです。そうそう、シーンが追加された『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の劇場公開も、もう間もなくですね。
市内のあちこちに、大雨の爪跡がまだまだたくさん残っていました。街が元通りになるのには、まだ時間がかかるみたいです。
熊本市長さんの言葉通り、被災地を訪れて、そこで地元のものを食べたりお土産買ったりすることが、復興を助ける大きな力になるんじゃないかと改めて思いました。できれば来年の春あたりにもう一度、呉市やその周辺を旅行できたらな、と。そのときはカレーの食べ歩きしようと考えているところ。もし実現したら、またここでカレーライスの写真をズラっと並べて紹介したいと思います。